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COLUMNSブログ「論語と算盤」

生かされ守られて

2021年6月1日

谷神こくしん死せず。れを玄牝げんぴんう。玄牝の門、是れを天地の根と謂う。綿綿としてそんするがごとし。これを用いてつかれず。

(谷の中に静まります神、それはつまり人間の精神でもある。

 大宇宙の神、それが人間に宿れば、人間の精神である。

 その空虚、がらんどうの奥にいます神は、いつまでも死ぬことがない、これを玄牝と呼ぶ。その玄牝の門、之が天地を生み出す根本となる。これはいつまでたっても、やまず絶えず、あるが如く、さりとてないが如く、まったく目に見えない。

 この神はそういう虚空、がらんどうの中で働きながら、永遠に疲れることがない。)

<出典:「老子講義録 本田濟講述」読老會編 致知出版社>

 

 

万物を生んで止まない大宇宙、つまり「道」についての言です。

 

 本年413日に他界された、筑波大学名誉教授であられた分子生物学者の村上和雄さんによると、

 「遺伝子とは、まさに奇跡としか表現のしようがないもの」であり、

「人間の理性や知性をはるかに超えたもの」、そして私たちは、

「『生きている』というようなものではなくて、『生かされている』というしかありません。」

とのことです。

(引用:「スイッチ・オンの生き方」村上和雄著 致知出版社)

 

 「生かされている」ということについて、神のご加護によるものなのかと考えても、なかなか腑に落ちませんでした。

生死の境を彷徨った方の感想でも聞いたりしますが、私はそんな経験が無いからわからないのだろうかと感じていたのです。

 

しかし、物理的な見地から「生かされている」と言われると、合点がいきます。

 

 

 私たちの祖先であるホモ・サピエンスは、約20万年前に進化の過程で分岐・誕生したとされていますが、医学者であり京都大学の総長などを歴任された平澤興さんによれば、「人間には140億個の脳神経細胞があるが、それを使い切った者は一人もいない」そうです。

(引用:「平澤興一日一言」平澤興著 致知出版社)

 

なんで、使い切れない140億個もの脳神経細胞を備えているのでしょうか・・・?

私たちは何もわからない状態で、いま「生きている」のですね。

 

 

 宇宙の成り立ちとして、各種天体を構成する物質などはある程度判明しているようですが、人類そのものやその存在に対する知見はほとんど持ち合わせていないのが現状なんですね。

 

  自分がどこから来てどこに向かっているのか、どこに向かうべきなのかについて、誰でも一度は真剣に考え、悩んだことがあるでしょう。

 

      しかしその都度、

「あぁ、それに関しては、君たちは知らなくて良いよ」

と創造主に言われているような、そんな結論にしか到達できません。

 

 

 これ以上どうこう言っても始まりませんが、前述の村上和雄さんの言をもう一つ紹介すると、

「人間には98%もの眠ったDNAが存在する」そうです。

 

 

 何とかそれらをフル稼働できれば、この世のあらゆる問題解決に繋げられるのではないか。

そしてそれが創造主である「道」が設計した最初からのシナリオなのではないか。

 

こんなことを考えたりした本日、2021年6月1日です。