子曰わく、位無きを患えず、立つ所以を患う。己を知る莫きを患えず、知らるべきを爲すを求むるなり。
(先師が言われた。「地位のないのを気にするよりも、なぜ地位が得られないかを考なさい。自分を認めてくれないことを気にするよりも、どうすれば認められるのかを考えて努力することだ」)
<出典:「仮名論語」伊與田覺著 致知出版社>
なぜ登用されないのか、なぜ力を認めてくれないのか
誰しも一度は感じることでしょう。
そんなとき、自分は不満なのですが、
大概において、周囲の人はそれほど違和感を覚えていません。
だから、もっと自分を客観視した方が良いでしょう。
独りよがりになっているのかもしれません。
器用な人ほど陥りやすいものです。
平澤興先生によると、器用な人は外科医には向かないとのこと。
「器用な人はすぐ覚えてやれてしまう。
例えば、少々順序が違ってもごまかしてやってしまう。
ところが、ミスが多い。
反対に不器用な人は、練習に練習を重ね、
目をつむっていてもやれるような、
そういうふうな熟練を身につけるため、
外科の大家に向いているそうです。」
<出典:「平澤興一日一言」平澤興著 致知出版社>
一つのことを極めるためには、
不器用で、愚直なやり方が王道となるのです。
また、登用されない、認められないと感じているのなら、
大家とされる先人の教えを学ぶことが大切です。
尊敬する師、私淑する本物、一角の人物
多くの人が尊敬しているわけですから
その師の教えを学ぶほど徳が身に付き
よって周囲から認められ、登用されやすくなるでしょう。
そして、天に問い、自らに問い、成すべきことをきちんと成せば良い。
もっとも、人に慕われ、協力してもらうことも必要です。
難しくはありません。
坂村真民先生の詩にそのコツが明らかにされています。
<出典:「坂村真民一日一言」坂村真民著 致知出版社>
幸せに生きること
人とうまくやっていくこと
そのコツは、実はシンプルなものなのでしょう。