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COLUMNSブログ「論語と算盤」

ハウスメーカー業界-5

2022年9月19日

ハウスメーカー業界の5回目です。

 

今回は、「資金力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、手元資金推移

手元流動性比率手元資金有利子負債カバー率

総資本営業CF比率売上高営業CF比率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

手元資金推移

〔手元資金=現金預金+有価証券(短期保有目的)〕

 

 トップ飯田GHDです。

2020年度で大きく拡大し、直前期の2021年度も増加しています。

 

 2番手は積水ハウスです。

2019年度と2020年度は6,000億円前後でしたが、直前期では減少しました。

 

 続いて大和ハウスです。

2020年度は高まりましたが、直前期では減少しました。

 

 そして住友林業です。

直前期は前年比で160.9%と、大きく拡大しました。

 

 

手元流動性比率

〔手元流動性比率=(現金・預金+有価証券)÷(年商÷365)〕

 

 トップ飯田GHDです。

3期連続で高めており月商ベースで5ヶ月分ほどの手元資金を有しています。

 

 2番手は積水ハウスです。

直前期で低下しましたが、月商ベースで2.5ヶ月程度の手元資金を有しています。

 

 続いて住友林業です。

2019年度以降、月商ベースで1ヶ月強の手元資金という推移です。

 

 そして大和ハウスです。

2020年度を除き、月商1ヶ月分を切った推移となっています。

見方によっては、資金効率が良好であるとも言えます。

 

 

手元資金有利子負債カバー率

〔手元資金有利子負債カバー率=(現金・預金+有価証券)÷有利子負債〕

 

 トップ飯田GHDです。

2020年度から2年連続で実質無借金経営の状態です。

直前期では、長短合計の有利子負債が前年比で124.7%と増加したため、やや比率が低下しました。

 

 2番手は積水ハウスです。

2019年度と2020年度は実質無借金経営でしたが、直前期は100%以下となりました。

長短合計の有利子負債は、3期連続で減少しています。

よって、直前期の低下は手元資金の減少が主因となります。

 

 続いて住友林業です。

前述のように、直前期は手元資金が急増しました。

それに対して長短合計の有利子負債は前年とほぼ同額(前年比100.03%)であったため、当比率が上昇しました。

 

 そして大和ハウスです。

直前期では、手元資金の減少に加え長短合計の有利子負債が前年比で112.7%と増加したため、当比率が4期間中で最低値まで低下しました。

 

 

総資本営業CF比率

〔総資本営業CF比率=営業CF÷総資本〕

 

 トップ住友林業です。

当指標も直前期で急上昇しています。

計算式の分母となる総資本が2019年度(12ヶ月)比で130.8%と増大しましたが、営業CFは同200.3%とそれ以上に大きく増大しました。

 

 2番手は大和ハウスです。

年度ごとに上下しており、直前期は低下しています。

上下動の要因は、総資本が安定的に3期連続で増大している中、営業CFが乱高下しているためです。

 

 続いて積水ハウスです。

直近の2期連続で比較的大きく低下しました。

営業CFの減少が主因となっています。

 

 そして飯田GHDです。

2020年度の高比率から、直前期は急落しました。

直前期の営業CFが前年比で1.0%と、100分の1まで縮小しています。

 

 

売上高営業CF比率

〔売上高営業CF比率=営業CF÷売上高〕

 

 各社のグラフ形状は概ね変化はありませんが、

上位2社の順位が入れ替わりました。

 

 トップ大和ハウス

  2番手が住友林業

   続いて積水ハウス

    そして飯田GHDという順位です。

 

 

今回、特に気になったのは、

指標によって大きく様相が変わる飯田GHD

そして、上昇の勢いが感じられる住友林業です。

 

 

今回の「資金力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「投資力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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