自動車業界の3回目です。
今回は、「稼ぐ力」の分析です。
取り上げる指標は、EBITDA、EBITDAマージン、ROEとなります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【EBITDA】
〔EBITDA=営業利益+償却費〕
トップはトヨタです。
2期連続で低下していましたが、直前期は大きく盛り返し、4期間中の最大値となっています。
内訳をみると、営業利益のみならず償却費も増大しています。
2番手はホンダです。
2期連続低下の後、直前期は4期中最大値まで拡大させており、トップと同じ様な推移です。
内訳では、営業利益の拡大がけん引役であり、償却費はやや減少しました。
続いて日産です。
直前期は前年比で167.8%と、めざましい急拡大です。
償却費は微減しており、営業利益の大きな拡大が主因です。
そしてスズキです。
直前期で盛り返していますが、4期中3番目のレベルであり、他の3社に比べるとやや物足りなさを感じます。
償却費が増していますが、営業利益が減少したことが痛手です。
【EBITDAマージン】
〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕
トップはトヨタです。
2期連続で上昇させており、直前期は15%を超えるレベルに至っています。
稼ぐ力としては秀逸です。
2番手は日産です。
2期連続で急低下していましたが、直前期で急上昇しました。
この指標に限らず、この勢いを続けてほしいものです。
続いてホンダです。
直近2期は連続で上昇しています。
そしてスズキです。
2019期は高いレベルでしたが、3期連続で低下しています。
【ROE】
〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益
÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕
トップはトヨタです。
9%台を維持しつつ、直前期では10%台に乗せてきています。
直前期の業績はまさに力強いと言えます。
2番手はスズキです。
3期連続で低下していますが、8%台を維持しています。
2019期は相当高かったため、今後の挽回が期待されます。
続いてホンダです。
意外にもこの4期間は、5%~7%台とやや低めのレベルになっています。
そして日産です。
2期連続の最終赤字から、直前期では4%超まで復元させてきています。
今回、特に気になったのは、トヨタの稼ぐ力の強さです。
今回の「稼ぐ力」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
トヨタ以外の3社にもそれぞれの強みが見られます。
ただし、全指標トップというトヨタの力強さは圧巻です。
今回は以上です。
次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。
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