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COLUMNSブログ「論語と算盤」

流動資産は下手を打つと厄介(ⅲ-①)

2021年5月3日

流動資産の内の3つ目のカテゴリー、その他流動資産を見ていきましょう。

 

非上場企業の場合、このカテゴリーは不明瞭資産

あるいは使途不明金の吹き溜まりになっていることが多々あります。

 

 

 

 

 最初に説明しておけば良かったのですが、流動資産には、営業循環過程にある資産や債権、また1年以内に現金化される資産や債権が計上されます。

 

 営業循環過程とは、現金が仕入によって原材料や商品に姿を変え、それが販売されて売上債権に姿を変え、そして元の現金の姿に戻るという循環のことです。つまり、本業としてのビジネスの流れによって生じる資産や債権をさします。

 前回と前々回で述べた当座資産棚卸資産は、ほぼ営業循環過程に含まれます。

 

 ちなみに、営業循環過程以外の資産や債権、また1年を超えて現金化される資産や債権は、固定資産に計上されることになります。

 

 

 今回述べるその他流動資産は、営業循環過程の項目もありますが、1年以内に現金化される資産・債権を中心に計上されます。具体的な勘定科目は、未収入金前払費用仮払金立替金短期貸付金貸倒引当金などです。

 

  • 未収入金は売上債権以外の債権、例えば固定資産を売却した際の未入金分などです。
  • 前払費用は家賃等の費用を事前に払ったものであり、後からそのサービス等を享受できる債権として資産に計上されます。
  • 立替金は、第三者(従業員等)の代わりに立て替えているものです。
  • 貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)は、売上債権や未収入金など金銭的債権のうち、貸し倒れになると見込まれる額、要するに取りっぱぐれる恐れのある金額をマイナス表記したものです。基本的に大きな金額にはなりません。

 

 

 さて、問題になるのが短期貸付金仮払金です。上場企業など監査法人の監査が入る大企業では問題ないものとして扱われますが、非上場企業など場合、この勘定項目は基本的に悪玉扱いとなります。

 

 

この内容については、結構長くなりますので、次回にしたいと思います。