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COLUMNSブログ「論語と算盤」

オフィス家具業界-1

2022年1月24日

今回から、オフィス家具業界です。

 

取り上げる会社は次の4社ですが、決算月がバラついています。

直近決算期は、以下のとおりです。

 

           コクヨ株式会社  直近決算期 2020.12.31

           株式会社内田洋行 直近決算期 2021.07.20

           株式会社オカムラ 直近決算期 2021.03.31

           株式会社イトーキ 直近決算期 2020.12.31

 

直前期、2年前、3年前、4年前という表現で過去からの推移を表現します。

 

 

1回の今回は「成長力」を確認します。

 

 

 まずは、売上高の推移からです。

 

 

 第一位はコクヨですが、第二位の内田洋行が猛追している格好です。

続くオカムラ、イトーキは、コクヨと同様にほぼ横ばいです。

 

 コクヨ直前期で下げましたが、新型コロナによって取り巻く経営環境が激変したことが主要因とのことです。

空間価値ドメインでは、インテリア需要の増加があったようですが、売上高としては4.8%減少です。

ビジネスサプライドメインでは、4.2%減少、グローバルステーショナリードメインでは12.6%減少と、全3つのセグメントにおいて売上高が低下しました。

 

 内田洋行の直前期の売上高拡大は、文部科学省の教育ICTにおけるGIGAスクール構想案件で想定以上の実績を上げたためとのことです。

これにより、全社的売上高が45.3%の増大となっています。

これは公共事業関連のセグメントであり、このセグメントの売上高は206.2%の増大です。

オフィス関連事業のセグメント売上高は5.6%の減少、情報関連事業のセグメント売上高は16.8%の増大です。

その他セグメントの売上高は、教育研修事業や人材派遣業、GIGAスクール構想の関連案件などにより、25.9%の増加になっています。

 

当業界においてもICT関連の受注が増えているようです。

 

の関連の受注が獲得できれば、

全社的成長につなげられることが期待できそうです。

 

 オカムラは、オフィス環境事業のセグメントで新しいオフィスづくりの提案を進めたようですが、売上高は4.6%減となっています。

商環境事業のセグメントでは、店舗什器、カート機器、セキュリティなどのトータルソリューション提案により、下半期の売上高と利益が過去最高になったようです。

ただし通年での売上高は0.9%減となってしまいました。

物流システム事業のセグメントでは、自動倉庫の需要は高まっているようですが、新型コロナの影響で投資の先送りなどが発生したため、売上高は8.4%の減少となっています。

 

 イトーキは、中期経営計画「RISE ITOKI 2023」の数値目標の中で、売上高1,330億円の達成を上げています。

各セグメント別では、第一四半期の業績は良かったようですが、第二四半期からの新型コロナ感染拡大により、苦戦したようです。

オフィス関連事業のセグメントの売上高は、前年とほぼ同額(0.0%減少)です。

設備機器関連事業のセグメントは、Q2からの苦戦が響き、売上高は11.0%減少しました。

その他のセグメントでは、パーソナル事業において、在宅勤務、テレワークの普及によるチェアの需要が拡大し、自社ECサイトでも販売台数が増大するなどで、売上高は5.4%の増加となったようです。

 

 

 次に、営業利益額の推移を見てみましょう。

 

 

 コクヨ2期連続で低下しています。

直前期のセグメント別営業利益の実績は以下です。

 ・空間価値ドメインは、9.8%減少

 ・ビジネスサプライドメインは、7.9%増加

 ・グローバルステーショナリードメインは、20.1%減少

 

 内田洋行3期連続で大きく伸ばしています

直前期のセグメント別営業利益の実績は以下です。

 ・公共関連事業は、GIGAスクール構想案件の受注により72.4%の大幅増加

 ・オフィス関連事業は、前年1.5億の黒字から6.2億円強の営業損失へ

 ・情報関連事業は、13.4%の増加

 ・その他事業は、売上高拡大により、479.2%という極めて大きい増加

 

 オカムラは、2期連続で伸ばしています

直前期のセグメント別営業利益の実績は以下です。

 ・オフィス環境事業セグメントは、3.3%増加

 ・商環境事業セグメントは、63.4%の大幅増加

 ・物流システム事業セグメントは、28.4%の減少

 

 イトーキは、2期連続で落としたのち、直前期で199.1%と大きく伸ばしました

なお、中期経営計画「RISE ITOKI 2023」数値目標では、営業利益60億円を掲げています。

直前期のセグメント別営業利益の実績は以下です。

 ・オフィス関連事業は、47.2%増加

 ・設備機器関連事業は、57.6%と大幅増加

 ・その他事業は、前期の2.3億円の欠損から、6.8億円と黒字化へ

 

 

 次は、総資産額の推移です。

 

 

 4社とも概ね横ばいですが、内田洋行の伸び率は高水準です

 

 

 最後に、従業員数の推移です。

 

 

 従業員数の推移も、4社とも概ね横ばいであり、特段の変化はありません

 

 

 

今回の「成長力」は以上です。

 

次回は、売上高利益率の側面から、

利益創出力」を確認します。

 

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