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COLUMNSブログ「論語と算盤」

家電量販業界-2(2022)

2022年7月28日

家電量販業界の2回目です。

 

今回は、売上高利益率からみる収益性で「利益創出力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、総資本経常利益率売上高総利益率

売上高営業利益率売上高当期純利益率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

総資本経常利益率

〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 トップはケーズHDです。

4期間ともトップであり、特に直近2期は10%を超えた高い値です。

なお、「中期経営計画(2020.03~2024.03)」において、2024.03期の経常利益を540億円としています。

 

 2番手はヤマダHDです。

2019期は4社中4位でしたが、徐々に上昇してきています。

なお、目標とする経営指標として、売上高経常利益率6.5%以上が掲げられています。

また、「YAMADA HD 2025 中期経営計画」初年度として、2023年3月期の経常利益を800億円(前年同期比7.9%増)と見込んでいます。

 

 続いてエディオンです。

2020期はかなり落としましたが、2021期で挽回しました。

 

 そしてビッグカメラです。

2021期つまり2020.08月までは、都心部中心という店舗立地戦略がコロナ禍で裏目に出てしまい、利益率が下降し続けました。

しかし、2022期、つまり2021.08期では挽回の兆しが見えてきています

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 トップエディオンです。

2020期はやや落としたものの、総じて29%台を維持しており安定的です。

 

 2番手はヤマダHDです。

2020期、2021期と2年連続でほぼ1ポイントずつ高めています

直前期は2021期と同じレベルになりましたが、今後は29%台での推移を狙っているような動きです。

 

 続いてビックカメラです。

2019.08期と2020.08期は27%前半まで落ち込みましたが、直前期(2022期=2021.08決算)では急上昇しています。

売上高拡大を狙うより、収益性重視の方向に舵を切る動きかもしれません。

 

 そしてケーズHDです。

2021期の巣ごもり需要を中心とした好業績時には29%台まで上昇しましたが、総じて28%台前半を狙っているように映ります

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

 トップケーズHDです。

売上高総利益率では4位ですが、販管費の少なさにより営業利益率を高めています

当社の収益力の強みの一端と感じます。

 

 2番手はヤマダHDです。

トップとの差は1.5ポイントであり、2021期では1.2ポイントまで縮めましたが、直前期ではやや広がっています。

 

 続いてエディオンです。

2位との差は1.5ポイントです。

2020期から3期連続でトップと3ポイント差となっています。

営業利益率のマネジメントの観点が似通っているのかもしれません。

 

 そしてビックカメラです。

2期連続で低下しましたが、直前期では上昇してきています。

 

 

売上高当期純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

 トップケーズHDです。

2021期は5%近くとかなり高いレベルでした。

2022期はやや落としましたが、4%近くとなっています。

なお、「中期経営計画(2020.03~2024.03)」において、2024.03期の親会社株主に帰属する当期純利益の目標額を340億円としています。

 

 2番手はヤマダHDです。

3期連続で上昇させており、利益率の上昇に対する明確な意思が感じられます。

今後の推移が期待されます。

なお、「YAMADA HD 2025 中期経営計画」の初年度として、2023年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益を519億円(前年同期比2.7%増)と見込んでいます。

 

 続いてエディオンです。

年度ごとの振れ幅が小さく、他の3社に比べると安定的な推移です。

 

 そしてビックカメラです。

営業利益率と同様に、2期連続で低下した後、直前期では上昇しています。

今後の挽回が期待されます。

 

 

今回、特に気になったのは、ケーズHD利益総出力高さでした。

また、ヤマダHD利益率上昇の動きも印象に残ります。

 

 

今回の「利益創出力」の順位による比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

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