Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

ドラッグストア業界-2

2022年9月29日

ドラッグストア業界の2回目です。

 

今回は、売上高利益率からみる収益性で「利益創出力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、総資本経常利益率売上高総利益率

売上高営業利益率売上高当期純利益率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

総資本経常利益率

〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 トップサンドラッグです。

ただし、3期連続の低下となっています。

経常利益の伸長率が3期連続で低下しており、直前期は前年割れの90.9%となっています。

一方、総資本は3期連続で伸長しています。

 

 2番手はウエルシアHDです。

前年よりわずかですが低下しました。

前回述べたように、営業利益は前年比で100.1%と微増、そして経常利益は103.9%と上昇しました。

その一方、総資本が106.3%と膨らんでいます。

ただし、他の3社が比較的大きく低下している中、ほぼ横ばいで10%台と高いレベルを維持している点は力強く映ります。

なお、中期経営計画の最終年度となる今期末(2023.02期)における経常利益の業績予想は、当初計画540億円に対して516億円と下方修正されています。

売上高は上方修正だったのですが、販売費及び一般管理費が膨らむためとのことです。

 

 続いてコスモス薬品です。

前年の2021決算期は比較的大きく上昇しましたが、直前期はそれ以上の度合いで低下しました。

2021決算期は総資本の伸び率を上回る経常利益の伸び率でしたが、直前期は総資本が伸長する中、経常利益は前年割れの91.7%となっています。

 

 そしてツルハHDです。

3期連続の低下であり、特に直前2期の低下度合いが大きくなっています。

2021決算期は、経常利益が前年比103.0%に対して総資本は129.7%と大きく膨らみました。

そして直前期では、経常利益が前年割れの84.0%となり、総資本は104.7%の伸び率となっています。

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 トップウエルシアHDです。

安定しており、3期連続で拡大させています。

 

 2番手はツルハHDです。

直前期は比較的大きく上昇しています。

 

 続いてサンドラッグです。

直前期までの3期は計ったように25%ラインで安定していましたが、直前期は4社中唯一低下しています。

これは、直前期から「収益認識に関する会計基準」を適用したことが影響しているようです。

 

 そしてコスモス薬品です。

過去3期は、「エブリディ・ロー・プライス」政策として、19%台での推移が狙いとも感じられます。

ただし、当社も直前期から会計方針を変更(「収益認識に関する会計基準」の適用)したため、その影響でやや上昇した様子です。

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

 トップサンドラッグです。

3期連続の低下です。

2期連続で微かに、そして直前期は比較的大きく低下しました。

前回見たように売上高が安定的に伸長する中、営業利益の伸び率がそこまで高くなく、直前期は前年比91.2%と前年割れになったためです。

 

 2番手はツルハHDです。

2期連続の低下であり、直前期の低下幅が大きくなっています。

直前期は、売上高と営業利益がともに前年割れの状況ですが、売上高は前年比99.6%、営業利益は83.9%となっています。

 

 続いてウエルシアHDです。

過去2期連続で伸長していましたが、直前期でわずかに低下しました。

ただし、4社の中ではその低下度合いが最も小さくなっています。

売上高は前年比で108.0%と伸長しましたが、営業利益が100.1%と足踏みしたためです。

 

 そしてコスモス薬品です。

2期連続で伸長した後、直前期で比較的大きく低下しました。

売上高は3期連続の増大ですが、営業利益は前年割れ(前年比89.9%)となりました。

 

 

売上高当期純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

 トップサンドラッグです。

4%近隣の推移となっています。

 

 2番手はコスモス薬品です。

2021決算期を除けば3.1%ラインを維持する形になっています。

 

 続いてウエルシアHDです。

2期連続で上昇した後、直前期では低下しました。

 

 そしてツルハHDです。

2期連続で低下となりました。

 

 

今回、特に気になったのは、サンドラッグ利益率の良さでした。

 

今回の「利益創出力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。