Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

ハウスメーカー業界-3

2022年9月12日

ハウスメーカー業界の3回目です。

 

今回は、「稼ぐ力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、EBITDA

      EBITDAマージンROEとなります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

EBITDA

〔EBITDA=営業利益+償却費〕

 

 

 トップ大和ハウスです。

2020年度は低下しましたが、直前期の実績は4期中の最高値となっています。

営業利益の拡大が主要因ではありますが、償却費も前年の128.0%と大きく膨らんでいます。

 

 2番手は積水ハウスです。

当社も2020年度に下げた後、直前期で4期中の最高値まで拡大しています。

直前期の2021年度における2020年度からの伸び率は、営業利益が123.4%、償却費が110.8%となっています。

 

 続いて飯田GHDです。

2019年度に低下しましたが、翌年度から2期連続で上昇しています。

また、グラフの傾きからもわかるように、直近2期の伸長率が大きくなっています。

直近2期の償却費の伸びは概ね110%強ですが、第1回で見たように営業利益の伸び率がかなり大きくなっています。

 

 最後に住友林業です。

過去3年間は600億円前後の推移でしたが、直前期では急拡大しましした。

2021年度は、前年比で営業利益が239.5%償却費も143.4%と、ともに大きく拡大しました。

 

 

EBITDAマージン

〔EBITDAマージン=EBITDA÷売上高〕

 

 トップ飯田GHDです。

直近の2期の伸び率は、4社中群を抜いたレベルと言えます。

直前期では売上高が低下したのですが、前述したEBITDAが伸びており、当マージン指標も高まっています。

 

 2番手は大和ハウスです。

10%台の後半を中心とした推移であり、安定しています

 

 続いて積水ハウスです。

2期連続で低下した後、直前期で盛り返し、4期中での最高値となりました。

当社は4社中唯一、売上高が3期連続で増大しています。

計算式の分母が増える中、直前期で当指標が高まったのは、文字どおり稼ぐ力が強化されたものと目されます。

 

 そして住友林業です。

4番目とはいえ、3期連続で一直線に上昇させています。

その上昇率は相当に高いレベルであり、特に直前期の上昇度合いが大きくなっています。

注文住宅事業は1975年からとのことで、かれこれ半世紀近くになりますが、何か成長期にいるような勢いが感じられます。

 

 

ROE

   〔ROE=親会社株主に帰属する当期純利益

÷{純資産-(新株予約権+非支配株主持分)}〕

 

 トップ住友林業です。

2期連続で低下していましたが、直前期の上昇レベルは極めて大きくなりました。

直前期では、純資産が135.2%と大きく増大しましたが、当期純利益は286.8%と急拡大しています。

なお、中期経営計画における2024.12期のROE目標値は、15%以上とのことであり、現状レベルを維持することが必要となります。

 

 2番手は大和ハウスです。

やや低下傾向と映ります。

当期純利益は2期連続で低下した後、直前期では115.5%と増加しました。

その一方、純資産は3期連続で増大しています。

なお、「第7期中期経営計画」(5カ年計画)の最終年度2026年度におけるROE目標値は、13%以上とのことです。

2018、2019年度の水準が求められます

 

 続いて飯田GHDです。

2019年度は比較的大きく落ち込みましたが、その後2期連続で上昇しています。

純資産の伸び率は110%以下であるのに対して、直近2期の当期純利益はそれを大きく超えています

 

 そして積水ハウスです。

直前期で上昇しましたが、2018、2019年度レベルには至っていない状況です。

直前期の当期純利益は4期間中最高額ですが、純資産が毎年増大しており、その伸び率に追いつけていません。

なお、目標とする経営指標として、ROE10%以上を安定的に確保することとしています。

 

 

今回、特に気になったのは、

常に上位に位置する大和ハウス安定感です。

 

 

今回の「稼ぐ力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「資本活用力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

※当サイトの「注意・免責事項」ご確認ください。