Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

家と国

2026年4月21日

わく、もも夭夭ようようたる、蓁蓁しんしんたり。こことつぐ、其のじんよろしと。其の家人に宜しくしてのちもっ國人こくじんおしうべし。詩に云わく、あにに宜しくおとうとに宜しと。兄に宜しく弟に宜しくして后、以て國人を敎うし。詩に云わく、其のたがわず、こくただすと。其の父子ふし兄弟けいていりて、のっとるにりて后、民之たみこれに法るなり。これくにおさむるには、其の家をととのうるにりとう。

(詩経(周南桃夭篇)に、桃の花が美しく咲き、その葉がみずみずしく茂っているように、教養豊かに成長した娘が嫁いで行き、其の家人とよく調和するとある。このように婚家の人々と和やかに調和して後に、その国の人を教えることができるわけである。

 詩経(小雅蓼蕭篇)に、兄に宜しく弟に宜しとある。家の中の日常生活に於て、君主がその地位に誇らず、兄弟が和やかに睦み合う姿が、兄弟の道を無言で国人に教えることになるわけである。

 詩経(曹風鳲鳩篇)に、君子の行為が人の道に叶って、自ら四方の国を正すとある。これは君主が家の中でよい父子、兄弟となって後に民がこれを手本とするようになるのである。これを国を治むるには、其の家を齊うるに在りと謂うわけである。)

<出典:『『大学』を素読する』伊與田覺著 致知出版社>

 

 

 

 

家は国の縮図

 

 

家の中で皆が睦ましく暮らしていないのなら、その家族の心はバラバラです。

 

国民の心がバラバラにならば、当然、その国が良くなることはありません。

 

 

 

嫁入りして夫の家に入るという風習において、送り出す家にとっては、その娘の教育が大切だったのでしょう。

 

勉強のレベルなどではなく、その家で調和をもった振る舞いができるか、夫の家族の一員になれるか、それはその娘の心の有様、教養次第だからです。

 

もちろん、受け入れる夫側の家も調和されていることが前提です。

 

 

 

家がまとまったなら

 やがて近所へ

  そして広く国民一人ひとりが

   和の心を大切にしていくことに

    つなげていくのです

 

 

 

家が調和するということは、家長が威張るようなことではありません。

 

家族の一人ひとりが、お互いに礼節や思いやりをもって触れ合い、助け合って、生活している状態をさします。

 

 

そういう認識が不十分な家長には、その母親が自らの役割としてたしなめていたのでしょう。

 

つまり、家族全員が調和していること、親子のみならず、兄弟姉妹も仲良くしていることが大事だということ。

 

 

そういう家族の姿が、徐々に国中に広がっていくことが望まれるわけです。

 

 

 

 

君子が

自らの家を

調和させている情景

 

 

 

父であり子であり

 兄であり弟であり

  家族全員が

   仲睦まじく調和している状態

 

それであれば

 民衆はこれに倣って

  自分の家を調和させていくでしょう

 

 

 

このことが

国を治めるための

必要な条件です

 

 

 

 

さて、今日の日本の「家」はどうなっているのでしょうか。

 

たとえ小家族、核家族であっても、調和させることは不可能ではないと思います。

 

 

しかし、調和できていない「家」が増えていけば、その国は崩壊の方向に向かいます。

 

こんな状態は、未来永劫、この日本において生じてほしくはありません。

 

 

 

現代、多くの人々は時間に追われ、また時間を消費しています。

 

これは

調和を生む振る舞いとしての〝 義 〟でなく

“ 利 ” を得ようとする

短絡的で短期的な煩悩の心

それを生じさせかねないのではと危惧します

 

 

 

 

家を齊え

自国の在り方を自らに問う

その上で自分の人生をいかに築くか

 

 

 

 

遠きをはかる者は富み 近きをはかる者は貧す

<二宮尊徳>