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COLUMNSブログ「論語と算盤」

誠意のための慎独

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2025年11月4日

所謂いわゆるこころばせまことにすとは、みずかあざむきなり。あくしゅうにくむがごとく、こうしょくこのむが如し。これけんう。ゆえくんは、かならひとりつつしむなり。

(八条目に「其の意を誠にす」というのは、自分が自分を欺かないことである。それは丁度悪い臭いをかいだら本能的に鼻をすくめ、好きなよい色を見れば、本能的に目を見開いて見ようとするようなものである。これを自らあきたる「自謙」(謙は慊に通ず)というのである。そこで君子は必ず自ら自分で独りを慎むのである。)

<出典:『『大学』を素読する』伊與田覺著 致知出版社>

 

 

 

格物・致知に続く八条目の〝 せい 〟です。

 

 

 

 そしてここでは、〝 慎独しんどく 〟の大切さも述べています。

 

 

〝 誠意 〟とは、自らを欺かないということ

 

誠意というのは、例えば教科書に示されているようなものではなく、自らの価値観や判断基準によって、自らを正していくことによって形作られるものです。

 

 

昨日、数年前、遠い昔の出来事に対して、あのとき、自分の言動は正しかったのか、自らを騙していないか、格好を付けたかっただけではないか、無難にやり過ごそうとしただけではないか、反省は尽きません。

 

まさに、この反省が〝 慎独 〟であり、〝 自謙 〟です。

 

 

〝 自謙 〟の意味は、解説にあるように「あきたる」、つまり自己満足することです。

 

自分の正直な気持ちとして納得できること

 

それと違う行動は、自らを欺くことになるわけです。

 

 

 

 自らの価値観と合わない振る舞いをする人を見かけます。

 

近年では特に、自治体の長、組織の長、教師など

 

本来、君子のような人物であるはずの人たち

 

 

“悪臭”を放つ人は、決して君子ではありません。

 

“悪臭”は多くの人が感じることであるため、世間に明らかになるとやがて消えていくでしょう。

 

 

 

多くの人が持つ人としての価値観

それこそが生きる道理であり道徳

 

それを明確に認識するために

〝 慎独 〟が必要なのです

 

 

 

 

他人に及ぼした些細な迷惑

 

これを慎独で認識し、改善していかない限り、再度やってしまうでしょう。

 

 

注意すべきは

 単に事を荒立てようとしないことや

  保身のために人間関係を壊さないようにすること

   そんなことではありません

 

〝 人として正しい振る舞い  〟

  それを考え実践することです

 

 

そして、この慎独を続けなければ、やがて人の心の道理、道徳から逸脱します。

 

 

 

誰に評価されるわけでもない

〝 慎独 〟

それをきちんとやっていく

 

 

なんのために

 

大自然の中に生かされている生命として

お天道様に恥じない生き方を貫くため

 

そして

世を良くしていくために

 

 

 

『大学』で非常に重要なことが、この慎独です。

我々が立派な人間になる

その一番基本になるものが慎独なんです。

 

<下記書籍より>

 

<参考:『『大学』を味読する 己を修め人を治める道』伊與田覺著 致知出版社>