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COLUMNSブログ「論語と算盤」

慈悲と知恵

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2025年7月4日

兄弟常不合 慈悲為兄弟 財物永不存 才智為財物 〔實語教〕

きょう弟常だいつねわず。慈悲じひを兄弟とす。財物永ざいもつながそんせず。さいを財物とす。

(意訳:兄弟だからといって、常に仲が良いわけではない。相手への思いやりがあるのなら、血を分けた者同士以上の間柄にもなる。

 金銭や財宝などは永遠ではない。知恵を高めて活用することこそ、生きるための財産である。)

<参考書籍:『實語教童子教 改版』馬喰町 錦耕堂山口屋藤兵衛板 解説>

 

 

 

 

 同じ父母を持つ兄弟が、どんなときにも仲が良いかというと、明らかにそれはありません。

 

私には兄がいますので、よく分かります。

 

いくら兄弟といっても、相手を思いやる心がないと、両者の仲はうまくいかなくなります。

 

まさに実感します。

 

 

 

さらに広げれば、友人、知人、同僚、隣人、伴侶に至るまで、相手への思いやりがあってこそ、人間関係がうまくゆくのです。

 

地域や組織、家族から国家に至るまで、人々がお互いを思いやって、協力し合うことで、物事はうまくいくのでしょう。

 

 

 

いっじんなれば 一國いっこく仁におこ

一家じょうなれば 一國讓に興り

一人貪戻いちじんたんれいなれば 一國らんおこ

かくごと

 

 

(一つの家族の中が仁で溢れれば、国中がその気風で満ちるようになる。一つの家族の中で譲り合っているのなら、国中をその美風が占めるようになる。

 一方、君主が我欲だけで我儘ならば、国中に乱が生じる。治乱興亡が生じるのは甚だ微妙である。)

〔大学〕

 

 

平和の実現と維持のためには

 相手に思いやりの気持ちで接し

  関係を良くしていくことが必要です

 

 

 

 

 財産は放っておけば無くなります。

 

私にはそんな財産が無いからでしょうか、実感できます。

 

そのため、財産に頼る生き方は長続きしないのです。

 

 

 

それに対して、知恵は限りなく広げることや充実させることができ、発明や防災はもとより、人間関係の良化にも大いに役立ちます。

 

財産ではなく、知恵を身に付けて高めていってこそ、自らの人生を輝かせることができるわけです。

 

 

ただし、知識というレベルでは物足りません。

 

現実社会に応用展開させ得る〝 知恵 〟の領域まで昇華させられなければ、知識というものの意義は無いと言っても過言ではないでしょう。

 

 

人類の進化とは、コンピュータを生み出したことで、知識の習得という訓練から解放される、楽になるということではないはず。

 

多くの知識を現実に即した智恵として活用してこそ、人類の永続と発展につながる進化であるはず。

 

 

 

人類の

発展と進化には

 

思いやりと

知恵の活用

それが必要なのです