Loading

COLUMNSブログ「論語と算盤」

本と末

2025年6月27日

てん子自しよもっ庶人しょじんに至るまで、いつみなおさむるを以てもとす。本亂もとみだれて末治すえおさまるものあらず。其のあつくするところの者をうすくして、其の薄くする所の者を厚くするは、いまらざるなり。

(八条目を本末という点から見ると、天子から庶人に至るまでおしなべて自分の身を修めるのが本であるという。※近江商人と称される中江藤樹は十一歳の時、この章に感動して聖賢の道に志した。

 その本である自分の身が乱れて、家をはじめ国や天下が治まることはない。

 要するに、その厚くすべき本をおろそかにして、薄くすべき末の方に力を注ぎ過ぎると、所謂本末顚倒して、長い目で見れば終りを完うすることはできない。)

<出典:『『大学』を素読する』伊與田覺著 致知出版社>

 

 

 

 

改めて反省すべきこと

 

本末転倒

 

 

 

 

 自分の根っこをしかり創っておかないと、物事が変化したときに狼狽うろたえてしまいます。

 

根っこが弱いと思われると、嘘つき、根性なし、卑怯者、ずるい、だらしない、間抜け、口先だけの奴などというように非難されるものです。

 

論語にも「巧言令こうげんれい色鮮しょくすくなじん」と言われます。

 

 

 

こういう風に言われないようにするには

どうすればいいのか

 

 

子供のころなどは特に気にしていました。

 

遠回りのようですが、結局最も近道となるのは、まさに八条目の前五項、つまり、格物、致知、誠意、正心、修身に沿った修養を行うことでしょう。

 

身を修めることができれば、大本おおもとができ上ります。

 

 

 

 

多くの人が大本をしっかりと創り上げ

その中から真のリーダーが生じ

組織や国家を牽引していく

 

 

この状況が理想的であることは、間違いないでしょう。

 

 

 

 

ただ、悲しむべきことに、ほんの些細なことで “ あり一穴いっけつ ” が生じてしまうのも人間のさがです。

 

その一穴を放っておくことで大きな穴になり、大本が見えなくなってきているのが今の日本、そして世界ではないでしょうか

 

 

 

アメリカのトランプ大統領がNATO(北大西洋条約機構)に対し、アメリカに依存し続けるのなら協力をやめるというような、傍若無人といわれても仕方のないような通告をしました。

 

しかしその結果、NATOGDP5%まで予算を拡大し、ひいては加盟各国に自立自衛の意識が改めて醸成されてきているようです。

 

“ 蟻の一穴 ” が大きくなりすぎて制御できなくなると、このようなトリックスターが必要になります。

 

 

 

日本はどうなのか

 

 

世の中の認識が

 「半分入っている」から

  「半分空である」に変わるとき

   イノベーションの機会が生まれる

 

<『イノベーションと企業家精神』ドラッカー著>

 

 

 

いまこそ

 

大本を改めて築き直す

 

その時です

 

 

<参考:『『大学』を味読する 己を修め人を治める道』伊與田覺著 致知出版社>