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COLUMNSブログ「論語と算盤」

真の価値

2025年4月18日

山髙故不貴 以有樹為貴 人肥故不貴 以有智為貴〔實語教〕

山髙やまたかきがゆえたっとからず。樹有きあるをもって貴しとす。人肥ひとこえたるが故に貴からず。有るを以て貴しとす。

(意訳:山は高いから貴いのではない。樹があるから貴いのである。人は肥えているから立派なのではない。智恵があるからこそ立派な人なのである。)

<参考書籍:『實語教童子教 改版』馬喰町 錦耕堂山口屋藤兵衛板 解説>

 

 

 

 

山が貴いのは樹があるから

 

 

 

山に樹がたくさんあれば、山全体に樹の根が張り巡らされ、土砂崩れが起きなくなります。

 

多種多様な動植物が集まる場となり、山全体が肥沃な土壌になります。

 

その栄養は河川を通じて海に注がれ、海の生物が養われます。

 

 

また、樹を適切に伐採することで、私たち人間は家屋や橋梁、各種の道具類を作り生活を便利することができます。

 

 

 

山、川、海

 それぞれで食物連鎖が機能し

  生きとし生ける多くの生命が

   地球上を躍動することになります

 

 

反対に

樹の無い山は

たとえ標高が高くとも

このような機能は働きません

 

やがて

自然の力で風化し崩れ

平地になっていくでしょう

 

 

 

 

 

人もおなじ

 

 

 

肥えた人は、贅沢な食事をして、享楽的な日々を送っているのかもしれません。

 

それは貴いことでしょうか

 

 

やっていることは、消費、見栄を張ること、贅沢のさらなる追求・・・

 

山が持つような対外的な機能は全く見出せません。

 

 

自分だけが良くなりたいというのは

幼稚な心から生じる単なる我がままです

 

またその快楽が

長く続かないことに

やがて気づくことになります

 

 

たまたま贅沢な環境になった時、と言うより、なってしまった・・・・時、智恵の有無、そしてその質の高さが問われます。

 

 

 

 

 

いま世界は紛争に明け暮れています。

 

 

実際の戦争

経済的な奪い合いの欲の紛争

領土を奪取するための威嚇の紛争など

 

 

 

平和は

 与えられるものではありません

 

一人ひとりが

 智恵を用いて

  創り上げていく

   工夫と努力が必要なものです

 

 

 

表面的で浅薄な価値観に振り回されず

真の価値を捉えて

智恵を養い

行動に移していきましょう