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COLUMNSブログ「論語と算盤」

現実を創る

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2024年11月26日

心気精明せいめいなれば、事機じきを知り、物先ぶっせんに感ず。至誠のぜんするれに近し。〔晩二八四〕

(心がはっきりと明らかであれば、事のきざしをよくとらえ、事の起こる前に感知できる。至誠の徳があれば、きっきょうふくを予知できるというのも、これに似ている。)

<出典:『言志四録 佐藤一斎』渡邉五郎三郎監修 致知出版社>

 

 

 

 

透明で

 明らかで

  執着のない

   安定した心であれば

    事の兆しを捉えられる

 

 

 

実感できる人も少なくないでしょう。

 

今までの人生の中で、このような体験は誰にでもあるはずです。

 

「無い」という人は、たぶん忘れているだけです。

 

その出来事が、小さすぎたのかもしれませんね。

 

 

 

 恥ずかしながら私の体験、決して誇れるようなものではありませんがお話しします。

 

話は学生時代の就職活動の時期にさかのぼります。

 

 

1985年、戦後最大の規模で大手造船会社が経営破綻しました。

 

テレビのニュースでは、刻一刻と低下するその会社の株価を説明していました。

 

 

一体何が起こっているのか、私には全貌が理解できていませんでした。

 

“ 天下の上場企業でも倒産する ”

 

ただ、これだけが得られた知見です。

 

 

しかしそれは、新しく社会人にならねばならない自分にとって、大きな悩みとなりました。

 

 

 

どういう進路をとるべきなのか

決断までの猶予はあと1年少々

 

 

この事件が幸なのか不幸なのか、そのときは当然わかりません。

いずれであるにせよ、真剣に考えて速やかに結論を出さねばならない問題になったのです。

 

 

 

学校に向かう途中、姓の書かれた表札と社名の書かれた表札がある家を見かけました。

この家の人は、この社名の会社を創業した人に違いない、そう、社長なのだ。

 

 

このとき、急に独立しようという思いに駆られました。

 

 

どの会社に属しているか

それに左右されない人生

自分の責任で生きていく

 

 

そういう進路に舵を切ったのです。

 

 

そしてまずは、ビジネスというものを知るために、借入金がないから倒産しないだろうと考えた会社に就職しました。

 

 

3年で独立できる力をつけようと思っていたのですが現実はそう甘くはありません。

 

それどころか、幸いなことに様々なご縁をいただくことができ、結局13年近くお世話になりました。

 

多くのことを学ばせてもらい、今では本当に感謝しています。

 

 

 

 

そして2000

紆余曲折の末

独立しました

 

 

 

 

 

人は、何よりも自分のことは真剣に考えます。

 

その思いが強ければ強いほど

 描いた自分の姿を

  現実として生み出していくのでしょう

 

これからの人生においても

 心を透明にし

  明らかにし

   執着せず

    安定させる

 

そこから兆しを掴み取り

 望ましい現実を

  自分で生み出していく

 

 

 

 

 

いまこのときから

生じる全てのこと

 

実はそれは

眼前に現れる兆しをもとに

自らが創っていくこと