民の餓ゆるは、其の上の税を食むの多きを以てなり。民の治め難きは、其の上の爲す有るを以てなり。是を以て治め難し。民の死を輕んずるは、其の生を求むるの厚きを以てなり。是を以て死を輕んず。夫れ惟だ生を以て爲す無き者、是れ生を貴ぶに賢る。
(民が餓えるのは、お上が税金をあまりにたくさん取り立てるからである。
民が悪賢くて治めにくいというのは、お上が過度に知恵や法術、そういうものを用いすぎるからである。
民が命を粗末にして早死するのは、かれらが長生きしたい長生きしたいと求めすぎる、そのことが、かえって死を早めるのである。
わが身の生命を忘れたものこそ、養生に憂き身をやつすものより勝っている)
<出典:『老子講義録 本田濟講述』読老會編 致知出版社>
全編逆説的表現との解説
他方
大変人間臭い話
ためになる教訓です
税を取りすぎると当然民は困窮します。
しかも、お上が何にその税を使っているのかわからない、使い方が賢くない、私的に使っている、などとなると民の心は離反していきます。
古くは、十里四方の田圃を九つの正方形に区切り、周囲の八つを私田として八人の小作に与え、真中の一つを公田としてその八人に耕作させて、その公田の収穫物を税として召し上げるというやり方があったそうです。
お上と民に信頼関係があれば、この試みはある程度うまく機能するでしょう。
しかしそうでない場合、例えば旧ソ連の社会主義や中国の共産主義では、ともに真ん中の公田は蔑ろにされ、草茫々になってしまったそうです。
人の欲を活用する民主主義は、それに比べるとうまく機能してきましたが、やや綻びも目立ってきています。
“ 交わりは進化なり ”
唯一ではなく
それぞれの制度を
部分的に混ぜ合わせて
運用することが必要かもしれません
続いてもお上の問題ですが、犯罪者は常に生じるものであり、お上が取り締まろうと工作しても、今度はそれをかいくぐってくる狡猾な輩が出てきます。
現代では、ややお上の側の分が悪いようです。
悪質な犯罪に対して、取り締まる側の策が追いついていません。
IT技術、webプラットホーム企業の問題、捜査に盗聴などを用いるかどうかの考え方など・・・
民主主義の進化とともに
思い切った一歩が必要
そんな時代になってきている
そういう気がします
長生きしたいと求めすぎると、逆に早死にしてしまう
長生きするための確実な処方箋などありません。
時には誤った情報をもとに、死を早めるような取り組みを始めてしまうかもしれません。
自分の命を忘れ没頭する
仕事
研究
人助け
社会貢献
環境保護
次代の創造
・・・
これが “ PPK:ピンピンコロリ ” のコツ
逆説
上に行こうと藻掻いても
誰の役にも立てていないのなら
引き上げてくれる人はいません
上には行けず
いまのまま
下に下り
多くの人を支えたのなら
多くの人が引き上げてくれる
下にはおられず
上に行く
作用と反作用
陰と陽
生きていくために必要な
人間臭い
肝心要の道理