凡そ生物は、皆養に資る。天生じて地之れを養う。人は則ち地気の精英なり。吾れ静坐して以て気を養い、動行して以て体を養い、気体相資し、以て此の生を養わんと欲す。地に従いて天に事うる所以なり。〔晩二七五〕
(おおよそ生物というものは、すべて天地の養いに頼らないものはない。天が万物を生じて、地がこれを養っていく。そして人間は、地上で最もすぐれた地気の精髄とも呼ぶべき存在なのである。
そうした人間である自分は、静坐によって精神を修養し、運動によって身体を養い育て、精神と身体が互いに助け合って、この生命を養おうとしている。これは万物を育てる地に従って、万物を生じた天に仕える所以である。)
<出典:『言志四録 佐藤一斎』渡邉五郎三郎監修 致知出版社>
自分の人生は
自分の力で創ったものではない
いま
穏やかに生きている人
多忙の最中にいる人
人間関係に苦しんでいる人
希望に満ち溢れている人
絶望している人
楽しくてしかたない人
色んな人がいるでしょう
10年前はどうでしたか。
この10年、今のあなたを創ってきたのは何でしょう。
あなた自身ですか。
少なくとも
「私は違う」
と言い切れます
この10年間の道のり、右、左、直進、後退、全ては “ ご縁 ” によるものです。
それは物であり、空気であり、知恵であり、知識であり、そして “ 人 ” です。
さらに10年、さらに10年と辿っていくと、一層実感させられます。
私は四半世紀前、自らの傲慢さや自分勝手な野心の結果、絶望の底にいました。
そんな辛いときほど、自分の30有余年の流れを振り返ったものです。
絶望などはもとより、単なる情熱からの絵空事も持ち合わせていない今現在、淡々と過去と現在を眺めると、自分の人生が “ ご縁 ” によって創られてきたことを強く感じます。
高校や大学入試、勉強する力はどこから生まれてきたのか。
自分の力そのものですか。
そんな強固な力なら、スポーツや芸術の世界でトップに立とうとしないのはなぜですか。
自分の頭脳の力というのなら、あなたより偏差値が高い人がいるのはなぜでしょう。
あなたより偏差値が低かった人が、なぜあなたを超越する活躍をしているのでしょう。
入社しようとした小さな会社。
親会社が経営破綻したので避けました。
飛ぶ鳥を落とす勢いの大会社。
入社試験で失敗しました。
前社はいま、プライム市場に上場しています。
後社はその後のバブル崩壊とともに不振に陥り、より大きな会社に救済的に吸収され、やがて社名がなくなりました。
結果、“ ご縁 ” のあった会社に入り、辛かった時期もたくさんありましたが、存分に鍛えられ、社会人としての基盤を創ってくれたと感謝しています。
私を含め
天の “ 使命 ”
地の “ ご縁 ”
それに沿った生き方
果たして
できているでしょうか