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COLUMNSブログ「論語と算盤」

盛衰

2024年9月10日

子夏しかいてのたまわく、なんじくんじゅれ、しょうじんの儒と爲るかれ。〔雍也第六〕

(先師が、子夏に向かって言われた。

 「お前は君子の儒となれ、小人の儒となるではないぞ」)

※君子の儒、真実に道を求めて学ぶ人。

 小人の儒、単に知識を極めて立身出世を求めるような人。

<出典:『仮名論語』伊與田覺著 致知出版社>

 

 

 

 

君子の儒

 

自らの修養に注力し

 大自然の中の生命体として

  いかに生きるべきかを探求する姿

 

 

 

 

小人の儒

 

人間が構築してきた社会経済の中で

手っ取り早く上位に位置しようと

知識を詰め込むことに躍起な姿

 

 

 

 

 

君子はいさぎよい生

小人はさもしい生

 

 

 

 

君子の儒は

 長期的な視野

  何千年、何万年、何億年

   その中における百年足らずの

    自分の生き様を求めて学ぶこと

 

一方

 

小人の儒は

自分の人生という

短期的な視野

祖先の行いや知恵

子孫が生きる次代より

自分が快楽なら良しとする

 

 

 

 

 

大自然の動きは、君子の儒と同様に、人の一生から見ると極めて長期的です。

 

その中で、セコセコと、たかだか百年程度の期間に悦楽を得ようとする小人の儒。

 

 

 

しかしながら今の世界では、小人の儒の圧力が圧倒的に大きいようです。

 

大自然の動きと小人の行動、このズレは、やがて大きな亀裂を生むのではないでしょうか。

 

 

 

 

先日、“ 千年海流 ” が止まってしまうという新聞記事を見ました。

 

温暖化で南北極地の氷が解けて淡水化し、その影響で早ければ2020年代後半にも地球の海流が止まる可能性があるそうです。

 

 

そうなると、暖流は南北高緯度地域に流れ込まなくなり、厳しい寒さに襲われます。

他方、寒流は南北低緯度地域に流れ込まなくなり、炎天下の砂漠のような日常になります。

 

高緯度地域の生活は、まるで冷蔵庫

低緯度地域の生活は、まるで炭焼窯

 

 

また、豪雨が続く地域と、干ばつに苦しめられる地域に分かれることが予想されています。

四季に応じた気候の変化は無くなり、地球環境は場所ごとに固定化されてしまいます。

 

 

映画にもなった小説『The Day After Tomorrow』さながら、温暖化で変化する地球の一過程の姿なのでしょうか。

 

 

 

 

世界人口は八十億人を超えたそうです

 

これからは

種として淘汰される

時代を迎えるのでしょうか

 

 

 

 

長期的な大自然の時間軸と、短期的な小人の時間軸とのズレは、積もり積もって、我々が生きる “ 美しい地球 ” の姿を一変させてしまいかねません。

 

 

 

人類の祖先の一人、孔子

 

今日取り上げたその孔子の言葉は、弟子の子夏だけに言ったのではなく、現生の人類全体への戒めだったのでしょう。

 

 

 

 

私たちは

 

後世のためにも

そして祖先のためにも

 

“ 君子の儒 ” の道を

歩まねばなりません

 

 

 

 

 

 

間に合うか