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COLUMNSブログ「論語と算盤」

無分別でこそ

2024年8月9日

安芸殿(注・鍋島茂賢)子孫軍法承らざる様にと申され候事「戦場に臨みては、分別が出来て、何とも止められぬものなり。分別ありては突破る事ならず、無分別が虎口前の肝要なり。それに軍法などを聞込みて居たらば、疑ひ多くなり、なかゝ埓明くまじく候。我が子孫軍法稽古仕るまじく。」と申され候由。〔聞書第十一〕

(鍋島安芸守茂賢殿のいわれたことだそうである。

 「戦場に臨んでは、どうしても分別がでてきて仕方のないものであるが、分別があっては思いきって敵を突き破ることはできない。戦場では無分別であることが最も大切なのである。

 それを、なまじ軍法などを聞き知っていたならば、迷いばかり多くなって、容易に決断が下せまい。自分の子孫は軍法など学ぶことは決してしないように。」)

<出典:『葉隠』原著 山本常朝/田代陣基 神子侃編著 徳間書店>

 

 

 

 

死にもの狂いで戦う

 

 

 

意欲、執着心、自我のレベルが

 沸騰するほどの熱量であってこそ

  敵を打ち破り勝利することができる

 

 

 

 

欠かせないのは覚悟

 

 

 

 

覚悟無き行動は

ちゅうちょいざな

隙を生む

 

狂ったように

刀を振り回し続ける

 

その姿に怖気づいた者は斬られる

 

 

 

圧倒的な心の熱量と

覚悟があってこそ

戦場で勝ち残ることができる

 

 

 

 

現代スポーツでは、柔道、剣道、フェンシング、ボクシングなどにも通じるはずです。

 

 

 

相手の隙をついた決定打を放てるか

 

 

 

その隙を見つけるのは、心の内に沸き立った熱量、そして一切迷いのない覚悟があってこそです。

 

 

 

 

戦場ではなく、仕事の領域でも同様です。

 

 

専門家でも

 一般職種でも

  さらにはパートやアルバイトでも

   熱量と覚悟ある仕事は強いものです

 

 

 

そこまで打ち込める仕事

それは幸せなこと

 

自分の仕事を

そこまで高めること

 

 

 

 

 

職場

仕事場

その瞬間に全熱量を傾け

結果に対しては覚悟する

 

 

 

 

 

 

軍略、戦略は、組織が大きくなるにしたがって重要さを増します。

 

 

 

かの時代の戦いでも

 今日の戦いでも

  いつ

   どのタイミングで

    誰を投入することが

     最も集団の力を発揮できるか

 

 

奏功したなら

 指揮した者は一歩引き

  最前線で成果を挙げた者を褒め称える

 

 

今も昔も変わらない、大将や長としての重要な振る舞いです。

 

 

 

しかし “ 葉隠 ” では

 策略で敗れるような

  ざまな姿をさらすのは

   武士の道ではないとし

 

死を覚悟した上で

  無分別に

   真正面から

    斬り込むことが

     望ましいとします

 

 

 

 

軍略や戦略は用いず

無分別で突き破る

 

実はこの覚悟こそ

一人ひとりが

人生を豊かにするために

 

見本とすべき生き様です