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COLUMNSブログ「論語と算盤」

賢明でありたい

2024年8月2日

兵を用うるに言有り。吾敢えて主らずして客爲り。敢えて寸を進まずして尺を退く。是を行く無きに行き、うで無きにはらい、敵無きにき、兵無きに執ると謂う。禍は敵を輕んずるより大なるは莫し。敵を輕んずれば、ほとんど吾が寶を喪う。故に兵をげて相加うるときは、哀しむ者勝つ。

(兵家には、次のような諺がある。

 自分は絶対に仕掛ける側にはならない。受け太刀の側になる。

 進むときは一寸すらあえて進もうとしない。退くときは、簡単に一尺を退く。

 こういうやり方を、前進しないことを前進とし、相手をなぐる気もない腕をまくり、敵を求めないことで相手を引き寄せる。そして手に武器をとらないことを武器とするという。

 禍は、敵をばかにするよりはなはだしい禍はない。

 敵を軽くみれば、おそらくはわが宝、つまり戦わずして勝つという宝をなくすであろう。

 だから、両国が全軍をあげて相戦うときは、人殺しを哀しむ側が勝つであろう。)

<出典:『老子講義録 本田濟講述』読老會編 致知出版社>

 

 

 

 

 

戦わずして勝つ

 

 

一体何に対して勝つのか

 

 

 

 

かの時代には、領地の奪取等を目的として、各地で大小の争いごとが生じたのでしょう。

 

 

 

 

 

 

戦わずして勝つ

 

 

この言はいまでも様々な場面で用いられており、賢明な心構えとされています。

 

 

 

 

 

現在、フランスでオリンピックが行われています。

 

正真正銘、純粋な “ 勝負 ” の世界です。

 

自分の肉体の限界を極め、強化する

 

 

 

 

では経済戦争や領土獲得の紛争はどうでしょうか

 

自国の経済力や軍事力を強化する

 

 

 

 

 

 

今日の教訓のような “ 天道 ” に沿った戦い方は、現代ではほとんど見られません。

 

現代の争いは、“ パワー ” が中心になっています。

 

その “ パワー ” は、地球そのものを粉砕してしまう域に達しています。

 

 

 

この “ パワー競争 ” は、いずれ衝突を生み出してしまうでしょう。

 

 

 

 

 

柔よく剛を制す

 

 

 

 

争いは、智恵や工夫で何とか避けねばなりません。

 

しかし、避けられない衝突も生じるでしょう。

 

そのときにも、やはり、知恵と工夫で勝たねばなりません。

 

・・・

 

 

 

 

 

一体何のために勝とうとするのか

 

 

 

私たち人類には

遠きを計る賢明さ

それが求められています