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COLUMNSブログ「論語と算盤」

誠の心でこそ嫌疑は晴れる

2023年3月17日

形迹けいせきけんは、口舌こうぜつもって弁ずべからず。ぼうの災は、智術を以てまぬかるべからず。一誠字をって以てついすにくはし。〔晩録二三五〕

(態度や言動について嫌疑を受けたときには、口先で弁解しても効果がない。思い当たる節もなく受けるわざわいは、智慧を用いても免れることはできない。ただ誠の一字をつちのように振るって、嫌疑を晴らす以外に方法はないのである。)

<出典:「言志四録 佐藤一斎」渡邉五郎三郎監修 致知出版社>

 

 

 

 

人の生き方の王道です。

 

 

 

嫌疑や禍を受けたとき、周囲に一所懸命弁明してもそれが晴れることはないでしょう。

 

逆に、小ざかしい振る舞いに映りかねません。

 

 

もし、その嫌疑が事実であれば嘘で取り繕う行為です。

 

周囲の人はその危険性を感じますから、弁明を全面的には信用しません。

 

 

このことから、完全な濡れ衣であったとしても、弁明することでかえって疑いが深まりかねません。

 

 

 

嫌疑をかけられると困りますが、だからと言って慌てて弁明するようなことは避けるべきです。

 

 

 

 

こういう時こそ、自らが常日頃考えてきた正しい思いや行い、善行、正義を淡々と行っていくのです。

 

 

見ている人は見ている

 

 

真摯な態度が伝われば、嫌疑は徐々にはがれ落ち、やがてきれいサッパリ晴れるでしょう。

 

また、それが事実としても、周囲はその意図や理由について深く考えることになります。

 

嫌疑をかけられることになった事案でも、英断と認められることはたくさんあります。

 

 

 

心と心がつながるか、信用できるか、信頼できるか、これらは人間社会を成立させる肝です。

 

そして、一人一人の全体を観察することや人物像を把握することは、円滑な人間関係、人間社会を生み出すに必要な心がけです。

 

 

メールやsnsで、行き違いや感情的な問題が生じる原因はここにあるのでしょう。

 

活字だけでは人物そのものが見えないのですから。

 

 

 

正しい行為、誠の心で対処しようとしても、活字ではまず伝わりません。

 

印字された手紙、例えば年賀状などは徐々に少なくなってきています。

 

惰性や社交辞令、そして印字された手紙となると、廃れるのはもっともなことです。

 

直筆で書いた手紙なら真意や思いが伝わりやすくなるでしょう。

 

チャットGPTやアバタ―なども、様々な人間関係上の問題を生み出しそうです。

 

 

 

 

自分の全身で

自己の全てで生き抜く

 

個としての自身を磨き

社会の風雪に耐え抜く

 

絶対的存在としての

自己を深め

そして高める