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COLUMNSブログ「論語と算盤」

善悪と盛衰

2022年7月8日

盛衰せいすいもって、人の善悪は、沙汰さたされぬ事なり。盛衰は天然の事なり。善悪は人の道なり。されど、教訓の為には、盛衰を以てふなり。

(人の運命の盛衰によって、その人の善悪を論じることはできない。人の盛衰は自然の運命によるものであり、善悪は人間の判断によるものだからである。

 しかしながら、教訓のためには、人の盛衰を善悪の結果のようにいうものである。)

<出典:「葉隠」原著 山本常朝/田代陣基 神子侃編著 徳間書店>

 

 

 

ことがうまくゆくとき

  良いこと(善)を行っている感じがします。

 

逆にことがうまくゆかないとき

  良くないこと(悪)を行っている気がします。

 

だから、うまくゆかせることを重視します。

 

 

ついつい、こういう判断をしてしまいます。

 

 

しかし、うまくゆかせることを基盤におくと、

善も悪もない交ぜになってしまいかねません。

 

 

 

うまくゆかせることには、それほどの価値があるのでしょうか。

 

 

 

善や信念に基づいた生き方

 

うまくゆかせるために工夫する生き方

 

死ぬ間際、どちらの生き方が満足できますか。

 

 

 

その生き方は、後世に繋がりますか

 

その生き方は、後世との架け橋、絆になりますか

 

その生き方は、自らの生として誇れますか

 

 

 

人が記憶されるのは

  その人が手にしたものの多さではなく

    その人が世に与えたものの多さ

 

 

えききょうの教えのようにせんりゅうからこうりゅうまで

 自らの歩みを慎重に進められたとしても

  天変地異、争いごと、生物としての物理的な寿命など

   盛衰は免れません。

 

盛衰への期待と恐れは、後悔や杞憂と同じく、無意味です。

 

 

 

〔十一月十一日〕

 

<出典:「坂村真民一日一言」坂村真民著 致知出版社>

 

 

 

今日という一日、今の瞬間こそが、人生を貫く一歩です。