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COLUMNSブログ「論語と算盤」

克己

2022年1月25日

おのれにつに、事々じじ物々ぶつぶつ時に臨みて克つようにては克ち得られぬなり。かねしょうもって克ちれよ、となり

(自分に克つということは、その時その場の出来事に対処しようとして、いわゆる場当たりに「自分を律しよう」としたとして、なかなかそううまくいかぬものだ。常日頃から平常心をもって自分に克つ修行をしていなくては、できるものではない。そう(南洲翁は)言われた。)

<出典:「西郷南洲遺訓」桑畑正樹訳 致知出版社>

 

 

 

自分に克つ修行は常日頃から

 

 

眼前に現れる出来事にその都度対応しようとしても、

支離滅裂な判断や行動になってしまいます。

 

 

筋の通った判断、主張、意志、行動でないと、

人物としての重みは出ず、人からの信頼は得られません。

 

 

取るに足らない人物にはなりたくないものです。

 

 

 

仕事も同じで、場当たり的では成果が得られません。

 

「準備8割」、若い頃よく言われました。

 

実践すると確信が得られ、考え方や行動に変化が生じたことを思い出します。

 

指導してくれた先輩や先人に感謝する次第です。

 

 

 

ところで、自分に克つためには、どういう修行をすれば良いのか。

 

訳者は、「その都度、目の前の出来事に過敏に反応していては、

己に克つ、すなわち『自分本位に考えずに行動する』ことなどできない」

と補足解説されています。

 

 

察するに、あらゆる場面を想定し、

皆が良くなるための道筋を

常に考えておくということでしょうか。

 

そしてそれは、根底に利他の心を置き、

そこから生じる判断を拠り所とした意思決定を行い、

そして実行することになるのでしょう。

 

 

いざというとき、そのような対応ができれば、

人々のためになる状況を生み出せそうです。

 

 

 

「一番大きな障壁は、安逸あんいつを求める自分自身の心だ。

自分自身に打ち勝つことにより、障壁を克服し、

卓越たくえつした成果をあげることができる。」

 

<出典:「稲盛和夫一日一言」稲盛和夫著 致知出版社>

 

 

「人生は克己こっきの二字にある。

これを実行するところに成功があり、

これを忘れるところに失敗がある。」

安田善次郎(安田財閥の創設者)

 

<出典:「致知日めくりカレンダー~心に響く先達の言葉~」致知出版社>

 

 

偉大なる事業家も、

「己に克つ」ことが良き人生を送るために必要な修行と捉えています。

 

 

周囲の皆が良くなるためのことを、1日ひとつでも考えて、

安逸を求める自分自身に打ち克つことで、

ただ漫然と過ごす無為な日々をなくしたいものです。