業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<貨物運送業界・・・第1回>
NIPPON EXPRES
ホールディングス株式会社
(12月決算)
ヤマトホールディングス株式会社
(3月決算)
SGホールディングス株式会社
(3月決算)
株式会社近鉄エクスプレス
(3月決算)
※ 決算期が相違するので、直近を「2022年度」と表現します。
※ NIPPON EXPRESホールディングス株式会社(以下NXHD)は、旧日本通運株式会社を株式移転完全子会社として、2022年1月に設立された純粋持株会社です。
※ NXHDの決算期は、日通時代は3月決算でしたが、2021.04~2021.12を9ヵ月間の決算とした後、2022.01~2022.12の12ヵ月間をNXHDの第1期としています。
※ 株式会社近鉄エクスプレスは、近鉄グループHDの完全子会社化に伴い、2022年8月26日をもって上場廃止となっています。
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移
営業利益推移
総資産推移
従業員数推移
【売上高推移】
トップはNXHDです。
直前期は、NIPPON EXPRESS HDの1期目となります。
売上高は、前期(日通としての9ヵ月決算)比で、148.5%の2兆6,187億円となりました。
事業はロジスティクス分野で5つ、その他で3つ、計8つのセグメントに分けられています。
▶ 日本(ロジスティクス)
直前期の売上高・・・1兆4,510億円
▶ 米州(ロジスティクス)
直前期の売上高・・・1,621億円
▶ 欧州(ロジスティクス)
直前期の売上高・・・2,157億円
▶ 東アジア(ロジスティクス)
直前期の売上高・・・2,415億円
▶ 南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
直前期の売上高・・・2,219億円
▶ 警備輸送:集配金業務等
直前期の売上高・・・681億円
▶ 重量品建設:プラント関連工事、風力発電・産業機械関連工事等
直前期の売上高・・・445億円
▶ 物流サポート
直前期の売上高・・・4,216億円
※調整額として△2,078億円
なお、「NXグループ成長イメージ」として、2023.12決算期における売上高目標2兆4,000億円を掲げています。
2番手はヤマトHDです。
直前期の売上高は、前期比105.8%の1兆7,936億円となりました。
3期連続で増大しています。
事業は2つのセグメントとその他に分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ リテール部門
直前期の売上高・・・前期比101.2%の8,934億円
▶ 法人部門
直前期の売上高・・・前期比110.8%の8,122億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比109.9%の880億円
なお、中期経営計画「Oneヤマト2023」の最終年度となる2024年3月期の営業収益目標(売上高)2兆円を掲げています。
続いてSGHDです。
直前期の売上高は、前期比121.1%の1兆5,884億円となりました。
3期連続で大きく増大しています。
事業は次の3つのセグメントとその他に分けられています。
▶ デリバリー事業
直前期の売上高・・・前期比102.8%の1兆432億円
▶ ロジスティクス事業
直前期の売上高・・・前期比229.6%の4,770億円
▶ 不動産事業
直前期の売上高・・・前期比49.4%の113億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比85.5%の569億円
なお、中期経営計画「SGH Story 2024」における2025年3月期の営業収益目標(売上高)1兆6,500億円を掲げています。
最後は近鉄エクスプレスです。
直前期の売上高は、前期比161.0%の9,804億円となりました。
2期連続の増大であり、直前期は特に大きく増大しています。
事業は地域区分で次の6つのセグメントとその他に分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 日本
直前期の売上高・・・前期比162.0%の2,441億円
▶ 米州
直前期の売上高・・・前期比181.9%の1,079億円
▶ 欧州・中近東・アフリカ
直前期の売上高・・・前期比158.7%の605億円
▶ 東アジア・オセアニア
直前期の売上高・・・前期比171.0%の2,273億円
▶ 東南アジア
直前期の売上高・・・前期比192.6%の1,800億円
▶ APLL
直前期の売上高・・・前期比132.6%の1,964億円
【営業利益推移】
トップはSGHDです。
直前期の営業利益は、前期比153.1%の1,557億円となりました。
3期連続での大きな増大となっています
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ デリバリー事業
直前期の営業利益・・・前期比130.4%の932億円
▶ ロジスティクス事業
直前期の営業利益・・・前期比380.2%の485億円
▶ 不動産事業
直前期の営業利益・・・前期比58.4%の66億円
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期比110.7%の47億円
なお、中期経営計画「SGH Story 2024」における2025年3月期の営業利益目標として、1,600億円を掲げています。
2番手は僅差でNXHDです。
直前期の営業利益は1,555億円となりました。
セグメント利益としての実績は以下のとおりです。
▶ 日本(ロジスティクス)
直前期のセグメント利益・・・714億円
▶ 米州(ロジスティクス)
直前期のセグメント利益・・・138億円
▶ 欧州(ロジスティクス)
直前期のセグメント利益・・・125億円
▶ 東アジア(ロジスティクス)
直前期のセグメント利益・・・128億円
▶ 南アジア・オセアニア(ロジスティクス)
直前期のセグメント利益・・・201億円
▶ 警備輸送:集配金業務等
直前期のセグメント利益・・・31億円
▶ 重量品建設:プラント関連工事、風力発電・産業機械関連工事等
直前期のセグメント利益・・・64億円
▶ 物流サポート
直前期のセグメント利益・・・164億円
※調整額として△190億円
続いてヤマトHDです。
直前期の営業利益は、前期比83.8%の772億円となりました。
2021決算期が前期比で2倍以上と好業績であったせいもあり、直前期は減少しました。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
▶ リテール部門
直前期の営業利益・・・前期比87.5%(金額記載なし)
▶ 法人部門
直前期の営業利益・・・前期比42.6%(金額記載なし)
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期比236.9%の166億円
なお、中期経営計画「Oneヤマト2023」の最終年度となる2024年3月期の営業利益目標として、1,200億円を掲げています。
そして近鉄エクスプレスです。
直前期の営業利益は、前期比182.8%の625億円となりました。
2期連続で相当に大きく増大しています。
セグメントごとの実績は以下のとおりです。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 日本
直前期の営業利益・・・前期比140.6%の116億円
▶ 米州
直前期の営業利益・・・前期比259.6%の133億円
▶ 欧州・中近東・アフリカ
直前期の営業利益・・・前期比321.9%の43億円
▶ 東アジア・オセアニア
直前期の営業利益・・・前期比145.6%の162億円
▶ 東南アジア
直前期の営業利益・・・前期比165.7%の133億円
▶ APLL
直前期の営業利益・・・前期比159.8%の90億円
【総資産推移】
最大はNXHDです。
直前期で大きく拡大しました。
2番手はヤマトHDです。
3期連続で縮小しています。
続いてSGHDです。
当社は3期連続で拡大しています。
そして近鉄エクスプレスです。
直近2期連続で拡大しており、特に直前期の拡大度合いは大きくなっています。
【従業員数推移】
最大なのはヤマトHDです。
ただし、総資産と同様に3期連続の減員です。
2番手はNXHDです。
73,000人前後での安定した推移です。
続いてSGHDです。
総資産の推移と同様に、3期連続の増員となっています。
そして近鉄エクスプレスです。
2021決算期に比較的大きく減員し、直近の2022決算期では再び17,000人規模に戻しています。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
今回は以上です。
次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。
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