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COLUMNSブログ「論語と算盤」

電子部品業界-2

2022年12月1日

業界売上高トップ4

有価証券報告書 財務分析

 

<電子部品業界・・・第2回>

 

 

2回分析テーマ・・・利益創出力(売上高利益率からみる収益性)

分析指標値:総資本経常利益率売上高総利益率、      

     売上高営業利益率売上高当期純利益率

 

(各指標の説明サイトはこちら

 

 

総資本経常利益率

〔総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+純資産)〕

 

 トップ村田製作所です。

2020.03期には低下しましたが、その後は2期連続で上昇し、直前期では15%超の水準まで上昇しています。

4期を通じて相当に高いレベルであり、経営に投下した総資本を上手に活用し、大きな利益を得ていることを意味します。

 

 2番手は日本電産です。

やや上下動が見られますが、概ね6%前後の推移を維持しています。

 

 続いてTDKです。

2期連続で低下した後、直前期では4期間の最高値まで上昇させています。

 

 そして京セラです。

2期連続で低下した後、直前期では上昇しましたが、やや低いレベルでの推移となっています。

 

 

売上高総利益率

〔売上高総利益率(粗利益率)=売上総利益(粗利益)÷売上高〕

 

 トップ村田製作所です。

2期連続の上昇であり、直前期では40%台を超えてきています。

他の3社に比して、かなり高い水準となっています。

 

 2番手はTDKです。

30%弱のレベルで、安定的に推移しています。

 

 続いて京セラです。

2期連続で低下した後、直前期では上昇しました。

 

 そして日本電産です。

2期連続で上昇していましたが、直前期では4社中唯一低下してしまいました。

 

 

売上高営業利益率

〔売上高営業利益率=営業利益÷売上高〕

 

 トップはまたしても村田製作所です。

2期連続の上昇であり、上昇の度合いが相当に高くなっています。

粗利率と合わせ、直前期の収益性は極めて良化したと言えます。

なお、「中期方針2024」において、営業利益率目標=20%以上を掲げています。

 

 2番手は日本電産です。

総資本経常利益率と同じような形状での推移となっています。

また、粗利率と同様に、直前期は4社中で唯一の低下となっています。

 

 続いて僅差でTDKです。

2期連続の上昇であり、直前期の上昇率が高くなっています。

粗利率の上昇はさほどでもないため、販管費のコントロールが奏功した様子です。

 

 そして京セラです。

やや上下動していますが、直前期の上昇率は比較的大きくなっています。

そのことから、直前期は4期間中の最高値となりました。

 

 

売上高当期純利益率

〔売上高当期純利益率=親会社の所有者に帰属する当期利益÷売上高〕

 

 トップは最後も村田製作所です。

2期連続で上昇しており、上昇度合いも相当に高くなっています。

売上高利益率の側面で見た収益性は、稀なほどの良好な状態と言えます。

強力なマネジメント体制がうかがえます。

 

 2番手は京セラです。

2021.03期では低下しましたが、直前期は大きく上昇させて2位に浮上しました。

粗利率と営業利益率は決して高くありませんが、当指標は良好なレベルになっています。

 

 続いて日本電産です。

今までと同様にやや乱高下しており、直前期では4社中唯一低下してしまいました。

 

 そして僅差でTDKです。

2期連続の上昇であり、直前期は4期間中での最高値となっています。

 

 

今回、特に気になったのは、

村田製作所やや次元を異にするような

利益率の高さでした。

 

今回の「利益創出力」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

 

 

今回は以上です。

 

次回は、「稼ぐ力」を見ていきましょう。

 

 

 

 

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