業界売上高トップ4
有価証券報告書 財務分析
<電子部品業界・・・第1回>
日本電産株式会社
TDK株式会社
京セラ株式会社
株式会社村田製作所
※4社とも3月決算です。
第1回分析テーマ・・・経営規模
分析実績値:売上高推移、営業利益推移、
総資産推移、従業員数推移
【売上高推移】
トップは日本電産です。
直前期の売上高は、前期比118.5%の1兆9,182億円となりました。
3期連続で伸長しており、特に直前期の伸びが大きくなっています。
事業は多様であり、次の7つのセグメントとその他に分けられています。
▶ SPMS
直前期の売上高・・・前期比93.8%の3,438億円
▶ AMEC
直前期の売上高・・・前期比124.0%の2,275億円
▶ ACTM
直前期の売上高・・・前期比132.3%の7,029億円
▶ 日本電産サンキョー
直前期の売上高・・・前期比112.7%の1,494億円
▶ 日本電産テクノモータ
直前期の売上高・・・前期比118.1%の889億円
▶ 日本電産モビリティ
直前期の売上高・・・前期比110.3%の991億円
▶ 日本電産シンポ
直前期の売上高・・・前期比158.4%の1,172億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比108.9%の2,554億円
※調整額があるため、合計は一致しません。
なお、新中期戦略目標(Vision2025)では、「2021~2022年度の連結売上高目標=2兆円」、さらに「2023年度~2025年度の連結売上高目標=4兆円」を掲げています。
2番手はTDKです。
直前期の売上高は、前期比128.6%の1兆9,021億円となりました。
2020.03期は低下しましたが、翌期から2期連続で伸長しており、特に直前期の伸び率が高くなっています。
事業は次の4つのセグメントとその他に分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ 受動部品
直前期の売上高・・・前期比124.1%の5,052億円
▶ センサ応用製品
直前期の売上高・・・前期比160.8%の1,308億円
▶ 磁気応用製品
直前期の売上高・・・前期比124.7%の2,484億円
▶ エナジー応用製品
直前期の売上高・・・前期比130.4%の9,653億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比102.6%の524億円
※調整額があるため、合計は一致しません。
続いて京セラです。
直前期の売上高は、前期比120.4%の1兆8,389億円となりました。
2期連続で低下した後、直前期で大きく回復しました。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
全セグメントで前期を上回っています。
▶ コアコンポーネント
直前期の売上高・・・前期比122.2%の5,279億円
▶ 電子部品
直前期の売上高・・・前期比124.2%の3,391億円
▶ ソリューション
直前期の売上高・・・前期比117.8%の9,837億円
※調整額があるため、合計は一致しません。
そして村田製作所です。
直前期の売上高は、前期比111.2%の1兆8,125億円となりました。
2020.03期で低下しましたが、翌2021.03期に盛り返し、4社中トップとなりました。
直前期でも伸長しましたが、他の3社の伸び率に及びませんでした。
事業は次の3つのセグメントに分けられています。
▶ コンポーネント
直前期の売上高・・・前期比120.5%の1兆4,166億円
▶ モジュール
直前期の売上高・・・前期比87.9%の4,256億円
▶ その他
直前期の売上高・・・前期比100.3%の613億円
※調整額があるため、合計は一致しません。
なお、「中期方針2024」において、売上高目標=2兆円を掲げています。
【営業利益推移】
トップは村田製作所です。
直前期の営業利益は、前期比135.4%の4,241億円となりました。
直近2期連続の伸長であり、ともに大きな伸長率になっています。
また、金額的にも他の3社と一線を画すほどの大きな規模での推移です。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ コンポーネント
直前期の事業利益・・・前期比144.6%の4,526億円
▶ モジュール
直前期の事業利益・・・前期比71.0%の385億円
▶ その他
直前期の事業利益・・・前期比89.3%の69億円
※事業利益であるため、営業利益総額とは一致しません。
2番手は日本電産です。
直前期の営業利益は、前期比107.2%の1,715億円となりました。
2期連続の伸長です。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ SPMS
直前期の営業利益・・・前期比58.2%の344億円
▶ AMEC
直前期の営業損失・・・前期5億の営業損失に対し、128億円の営業損失
▶ ACTM
直前期の営業利益・・・前期比157.5%の666億円
▶ 日本電産サンキョー
直前期の営業利益・・・前期比98.4%の126億円
▶ 日本電産テクノモータ
直前期の営業利益・・・前期比106.9%の116億円
▶ 日本電産モビリティ
直前期の営業利益・・・前期比126.4%の103億円
▶ 日本電産シンポ
直前期の営業利益・・・前期比191.8%の194億円
▶ その他
直前期の営業利益・・・前期比143.6%の431億円
※調整額があるため、合計は一致しません。
なお、新中期戦略目標(Vision2025)では、「2021~2022年度の営業利益=2020年度比3割増」、さらに「2023年度~2025年度の営業利益=2020年度比倍増」を掲げています。
続いてTDKです。
直前期の営業利益は、前期比149.5%の1,668億円となりました。
2020.03期は低下しましたが、翌期から2期連続の拡大です。
直近2期は売上高伸長率を凌いでおり、特に直前期の伸びが大きくなっています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ 受動部品
直前期のセグメント利益・・・前期比192.7%の773億円
▶ センサ応用製品
直前期のセグメント利益・・・前期損失25億円に対して、利益32億円
▶ 磁気応用製品
直前期のセグメント利益・・・前期損失23億円に対して、利益45億円
▶ エナジー応用製品
直前期のセグメント利益・・・前期比83.6%の1,232億円
▶ その他
直前期のセグメント損失・・・前期利益161億円に対して、損失56億円
※セグメント利益であるため、営業利益総額とは一致しません。
そして京セラです。
直前期の営業利益は、前期比210.8%の1,489億円となりました。
2021.03期でかなり落としましたが、直前期で2倍以上に拡大させています。
セグメント別の実績は以下のとおりです。
▶ コアコンポーネント
直前期の事業利益・・・前期比201.8%の616億円
▶ 電子部品
直前期の事業利益・・・前期比208.2%の479億円
▶ ソリューション
直前期の事業利益・・・前期比183.3%の687億円
※事業利益であるため、営業利益総額とは一致しません。
【総資産推移】
最大なのは京セラです。
3期連続の拡大です。
2番手はTDKです。
直近2期間で1兆円以上拡大しています。
続いて村田製作所です。
3期連続の拡大ですが、前述の2社ほどの拡大ペースではありません。
そして日本電産です。
3期連続の拡大となっています。
【従業員数推移】
最大なのはTDKです。
ただし、直前期は1割ほど減員となりました。
2番手は日本電産です。
2021.03期では削減しましたが、直前期ではまた増員しています。
続いて京セラです。
直近2期連続の増員となっています。
そして村田製作所です。
直近2期連続の増員です。
今回の「経営規模」の順位による
比較レーダーチャートは以下のとおりです。
4社それぞれが4項目のトップとなっています。
各社の特性が表れているのかもしれません。
今回は以上です。
次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。
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