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COLUMNSブログ「論語と算盤」

自動車業界-1

2022年8月15日

今回から自動車業界を取り上げます。

 

取り上げる会社は次の4社です。

 

トヨタ自動車株式会社

本田技研工業株式会社

日産自動車株式会社 

スズキ株式会社   

(4社とも決算月は3月です。)

 

 

1回の今回は「経営規模」を確認します。

 

取り上げる実績値は、売上高推移営業利益推移総資産推移従業員数推移です。

 

 

売上高推移

 

 トップトヨタです。

直前期の売上高は、前期比115.3%の31兆3,795億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期で挽回しています。

なお、低下した2期の低下度合いは、4社の中では軽微なレベルに留めています。

事業は次の3つのセグメントに分けられています。

中核である自動車事業の伸びが大きく金融事業とその他の事業も増収となっています。

▶ 自動車事業:自動車の製造販売

 直前期の売上高・・・前期比116.0%の28兆6,057億円

 販売数量では、日本市場こそ前期比90.5%(1,924,185台)と低下していますが、米国市場は103.5%(2,393,912台)、そして欧州、アジア、その他の地域も増加しています。

▶ 金融事業:自動車等の販売を補完するための金融、車両リース事業

 直前期の売上高・・・前期比107.5%の2兆3,240億円

▶ その他の事業:情報通信事業

 直前期の売上高・・・前期比107.4%の1兆1,298億円

 

 2番手はホンダです。

直前期の売上高は、前期比110.5%の14兆5,527億円となりました。

2期連続で低下した後、直前期は増加しました。

事業は次の4つのセグメントに分けられています。

全セグメントで前期を上回っています

二輪事業

 直前期の売上高・・・前期比122.3%の2兆1,852億円

 連結売上台数では、アジア地域は2.0%の減少ですが、それ以外の日本、北米、欧州、その他の地域では増加しています。

四輪事業

 直前期の売上高・・・前期比106.8%の9兆1,474億円

 連結売上台数は、二輪事業と逆転したイメージです。アジア地域は13.6%増加ですが、それ以外の日本、北米、欧州、その他の地域では減少しています。

 にもかかわらず売上高が増加したのは、為替換算による増加影響とのことです。

金融サービス事業

 直前期の売上高・・・前期比113.1%の2兆8,206億円

ライフクリエーション事業及びその他の事業

 直前期の売上高・・・前期比124.1%の3,992億円

 

 続いて日産です。

直前期の売上高は、前期比107.1%の8兆4,246億円となりました。

2期連続で比較的大幅に低下した後、直前期で増加しました。

ただし、グローバル販売台数(小売り)は前年度から4.3%減少しており、そのせいか直前期の伸び率は4社中では最低となっています。

事業は事業セグメントで2つに分け、また地域セグメントで5つに分けています。

以下は事業セグメントでの実績を記載しており、両事業とも増収となりました。

自動車事業

 直前期の売上高・・・前期比107.0%の7兆4,757億円

販売金融事業

 直前期の売上高・・・前期比101.1%の1兆317億円

 (自動車事業はセグメント間の内部売上を含むため、2事業の合計が全社売上高と一致しません。)

 

 最後はスズキです。

直前期の売上高は、前期比112.3%の3兆5,684億円となりました。

当社も2期連続で低下した後、直前期で増加させています。

事業は次の4つのセグメントに分けられています。

全セグメントで前期を上回っています

四輪事業

 直前期の売上高・・・前期比111.4%の3兆2,048億円

二輪事業

 直前期の売上高・・・前期比122.7%の2,535億円

マリン事業:船外機の製造販売

 直前期の売上高・・・前期比117.5%の980億円

その他事業:電動車いすの販売、不動産の販売

 直前期の売上高・・・前期比103.4%の121億円

 

 

営業利益推移

 

 トップトヨタです。

売上高の変動に応じて2期連続で減少していましたが、直前期では136.3%と大きく挽回しています。

29,957億円は、この4期間において最高値となっています。

なお、この営業利益における対前年増減要因と金額は、営業面の努力が+8,600億円、為替変動の影響が+6,100億円、原価改善の努力が△3,600億円、諸経費の増減・低減努力が△2,200億円、その他が△921億円とのことです。

セグメント別には以下のとおりです。

▶ 自動車事業の営業利益・・・前期比142.1%の2兆2,842億円

▶ 金融事業の営業利益・・・前期比132.6%の6,570億円

▶ その他の事業の営業利益・・・前期比49.6%の423億円

 

 2番手はホンダです。

2020期には落としましたが、2021期と直前期の2期連続で増加しています。

特に直前期は132.0%と大きな伸び8,712億円となり、4期間中の最高値となっています。

二輪事業の営業利益・・・前期比138.7%の3,114億円

四輪事業の営業利益・・・前期比161.7%の2,362億円

金融サービス事業の営業利益・・・前期比93.3%の3,330億円

ライフクリエーション事業及びその他の事業の営業損失・・・前期より21億円の改善で94億円

 このうち、航空機および航空機エンジンの営業損失は、前期より14億円の悪化で337億円とのことです。

 

 続いて日産です。

2期連続の営業欠損で、2021期はかなり欠損額が拡大しました。

しかし、直前期では一転して挽回し黒字を計上しています。

自動車事業の営業損失・・・前期より2,820億円の改善で1,550億円

販売金融事業の営業利益・・・前期比139.9%の3,748億円

 

 そしてスズキです。

3期連続で減少しています。

中核事業の四輪事業の回復が必要です。

四輪事業の営業利益・・・前期比88.8%の1,528億円

 原材料の高騰が利益を圧迫したとのことです。

二輪事業の営業利益・・・前期比421.6%の109億円

マリン事業の営業利益・・・前期比140.5%の240億円

その他事業の営業利益・・・前期比139.3%の38億円

 

 

総資産推移

 

 トップトヨタです。

3期連続で増大しています。

 

 2番手はホンダです。

トップの半分以下というレベルですが、着実に規模拡大を図っています

 

 続いて日産です。

4社中唯一、3期連続で縮小しています

 

 最後はスズキです。

2020.03期は縮小しましたが、その後2期連続で増大しています。

 

 

従業員数推移

 

 最大の従業員数はやはりトヨタです。

直近2期連続で増加しています。

 

 2番手も想定どおりホンダです。

3期連続で減少させています。

 

 続いて日産です。

2期連続で減少していましたが、直前期では増員しています。

 

 そしてスズキです。

4社中唯一、3期連続で増加させています。

 

 

今回の「経営規模」の順位による

比較レーダーチャートは以下のとおりです。

 

4つの実績値の全てが同じ順位になりました。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

 

 

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