タイヤ業界の4回目です。
今回は、「資本活用力」の分析です。
取り上げる指標は、総資本回転率、売上債権回収日数、
棚卸資産回転日数、流動比率、自己資本比率となります。
なお、各指標についての説明はこちらです。
【総資本回転率】
〔総資本回転率=売上高÷総資本〕
トップは住友ゴム工業です。
低下傾向でしたが、直前期では良化させ、0.8回台を維持しています。
2番手はTOYO TIREです。
ただし、3期連続で低下しています。
続いてブリヂストンです。
直前期の挽回は、売上高の上昇が効果的でした。
最後は横浜ゴムです。
直前期では、売上高上昇率が、総資本の増大率を上回ったために良化しました。
【売上債権回収日数】
〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕
最短なのは住友ゴム工業です。
ただしそれでも2.5ヵ月程度となっており、決して早い回収とはいえません。
2番手は、TOYO TIREです。
2期連続で最短でしたが、直前2期に長期化し、2位となりました。
続いてブリヂストンです。
2018期は60日程度と、この4社の4期間において、最短でした。
しかし、2期連続でかなり長期化してしまいました。
直前期は一転短縮しており、今後の動向がどうなるか気になる所です。
もっとも長期なのは横浜ゴムです。
直前期は90日を切りましたが、総じて3ヶ月分程度と長くなってしまっています。
【棚卸資産回転日数】
〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕
在庫圧縮が最も良好なのはブリヂストンです。
2020期を除いて、4社の中でトップレベルを維持しています。
2番手はTOYO TIREです。
2020期は、前年比で2週間分ほど在庫を絞り込み、トップとなりました。
続いて横浜ゴムです。
3期連続で長期化しており、在庫が膨らんでいる様子です。
最後は住友ゴム工業です。
直前期に、急に長期化してしまっています。
【流動比率】
〔流動比率=流動資産÷流動負債〕
最も値が高いのはブリヂストンです。
この4期間は概ね200%超であり、安心で安全なレベルです。
2番手は住友ゴム工業です。
続いてTOYO TIREです。
最後が横浜ゴムとなっています。
【自己資本比率】
〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕
ブリヂストンがトップです。
グローバルな事業展開には、足腰となる財政状態の堅実さが必要と思わせてくれます。
もっとも、当業界での急成長は考えづらく、レバレッジ効果を利かせるような機会も多くはないのでしょう。
2番手はTOYO TIREです。
2019期で大きく上昇させており、その後は安定的に微増している状態です。
続いて横浜ゴムです。
3期連続の上昇であり、50%台に乗せてきています。
最後は住友ゴム工業です。
40~45%をターゲットとしているのか、この4期間は安定的な推移になっています。
今回気になったのは
住友ゴム工業の総資本回転率の良さです。
売上債権回収日数も4社中最短で良好ですが、
棚卸回転期間が長期化した点はやや気になります。
今回は以上です。
次回は、「資金力」を見ていきましょう。
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