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COLUMNSブログ「論語と算盤」

タイヤ業界-4

2022年6月23日

タイヤ業界の4回目です。

 

今回は、「資本活用力」の分析です。

 

 

取り上げる指標は、総資本回転率売上債権回収日数

棚卸資産回転日数流動比率自己資本比率となります。

 

なお、各指標についての説明はこちらです。

 

 

総資本回転率

〔総資本回転率=売上高÷総資本〕

 

 トップは住友ゴム工業です。

低下傾向でしたが、直前期では良化させ、0.8回台を維持しています。

 

 2番手はTOYO TIREです。

ただし、3期連続で低下しています。

 

 続いてブリヂストンです。

直前期の挽回は、売上高の上昇が効果的でした。

 

 最後は横浜ゴムです。

直前期では、売上高上昇率が、総資本の増大率を上回ったために良化しました。

 

 

売上債権回収日数

〔売上債権回収日数=売上債権残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 最短なのは住友ゴム工業です。

ただしそれでも2.5ヵ月程度となっており、決して早い回収とはいえません

 

 2番手は、TOYO TIREです。

2期連続で最短でしたが、直前2期に長期化し、2位となりました。

 

 続いてブリヂストンです。

2018期は60日程度と、この4社の4期間において、最短でした。

しかし、2期連続でかなり長期化してしまいました。

直前期は一転短縮しており、今後の動向がどうなるか気になる所です。

 

 もっとも長期なのは横浜ゴムです。

直前期は90日を切りましたが、総じて3ヶ月分程度と長くなってしまっています。

 

 

棚卸資産回転日数

〔棚卸資産回転日数=棚卸資産残高÷日商(売上高÷365)〕

 

 在庫圧縮が最も良好なのはブリヂストンです。

2020期を除いて、4社の中でトップレベルを維持しています。

 

 2番手はTOYO TIREです。

2020期は、前年比で2週間分ほど在庫を絞り込み、トップとなりました。

 

 続いて横浜ゴムです。

3期連続で長期化しており、在庫が膨らんでいる様子です。

 

 最後は住友ゴム工業です。

直前期に、急に長期化してしまっています。

 

 

流動比率

〔流動比率=流動資産÷流動負債〕

 

 最も値が高いのはブリヂストンです。

この4期間は概ね200%超であり、安心で安全なレベルです。

 

 2番手は住友ゴム工業です。

 

 続いてTOYO TIREです。

 

 最後が横浜ゴムとなっています。

 

 

自己資本比率

〔自己資本比率=自己資本÷総資本〕

 

 ブリヂストントップです。

グローバルな事業展開には、足腰となる財政状態の堅実さが必要と思わせてくれます。

もっとも、当業界での急成長は考えづらく、レバレッジ効果を利かせるような機会も多くはないのでしょう。

 

 2番手はTOYO TIREです。

2019期で大きく上昇させており、その後は安定的に微増している状態です。

 

 続いて横浜ゴムです。

3期連続の上昇であり、50%台に乗せてきています

 

 最後は住友ゴム工業です。

4045%をターゲットとしているのか、この4期間は安定的な推移になっています。

 

 

今回気になったのは

住友ゴム工業総資本回転率の良さです。

 

売上債権回収日数も4社中最短で良好ですが、

棚卸回転期間が長期化した点はやや気になります。

 

 

今回は以上です。

次回は、「資金力」を見ていきましょう。

 

 

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