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COLUMNSブログ「論語と算盤」

飲食業界-1

2022年4月18日

今回から飲食業界を取り上げます。

 

取り上げる会社は次の4社です。

 

          株式会社ゼンショーホールディングス(3月決算)

          株式会社すかいらーくホールディングス(12月決算)

          日本マクドナルドホールディングス株式会社(12月決算)

          株式会社FOOD & LIFE COMPANIES(9月決算)

 

 

1回の今回は「成長力」を確認します。

 

     取り上げる実績値は、

売上高推移営業利益推移総資産推移従業員数推移です。

 

 

売上高推移

 

 

 トップはゼンショーです。

当社の代表的なブランドは以下のとおりです。

 ・牛丼カテゴリー:すき屋、なか卯

 ・レストランカテゴリー:ココス、ビッグボーイ、ジョリーパスタ、

熟成焼肉いちばん、宝島、牛庵、華屋与兵衛

 ・ファーストフードカテゴリー:はま寿司、伝丸、久兵衛屋、

                かつ庵、瀬戸うどん

直前期の売上高は減少しています。

これは、新型コロナ感染症の影響であり、前年比では、牛丼カテゴリーで96.1%、レストランカテゴリーで78.8%、ファーストフードカテゴリーで90.1%と、全面的に前年を下回っています

なお、経営指標(KPI)としていくつか掲げられていますが、2022決算期の売上高目標は6,880億円とのことです。

 

 2番手はマクドナルドです。

3期連続で伸長しています。

この好業績の要因については、「ピープル」という人材育成制度、「メニュー・バリュー」という時間帯別メニュー、「店舗展開」による経営資源の効果的活用、「デジタル・デリバリー・ドライブスルー」によるモバイルオーダーや決済方法の拡大とデリバリーサービスの拡充などの施策によるものとのことです。

2021年に創業50周年を迎え、システムワイドセールス(直営店舗とFC店舗の合計売上高、連結PL売上高とは一致しない)過去最高になったそうです。

 

 続いてすかいらーくです。

当社のブランドについて、国内の代表的なものを以下に記載しておきます。

 ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、夢庵、

ステーキガスト、から好し、むさしの森珈琲、

藍屋、グラッチェガーデンズ、魚屋路など

2期連続で売上高が低下しています。

やはり新型コロナ感染症が大きく影響し、非常事態宣言やまん延防止措置による客足の減少をカバーすることができなかったようです。

12月決算であることから、特に2020決算期は対策が間に合わない部分もあったのでしょう

大きくマイナスしてしまいました。

 

 FOOD & LIFE COMPANIES(以降「F&L CO」)は、

3期連続の上昇です。

当社のブランドは、スシロー、杉玉、京樽、海鮮三崎港・三崎丸です。

直前期では、対前年比117.5%と高い伸長率になっていますが、これは国内79店舗および海外22店舗の新規出店京樽の買収サイドメニューや各種キャンペーンが奏功したためとのことです。

なお、中期計画による2024決算期の売上高目標は4,200億円とのことです。

 

 

営業利益推移

 

 

 トップはマクドナルドで、3期連続の拡大です。

売上高の伸長が前年比で110.2%、売上原価と販管費も増加しましたが、結果的に営業利益額の伸長は前年比で110.3%となっています。

特に、コロナ禍の状況に応じた一般管理費の最適化が奏功したとのことです。

なお、営業利益額について、年平均成長率3~5%を財務目標として設定されています。

 

 続いて、F&L COです。

販売費及び一般管理費は、新規出店や京樽の買収による店舗数の増加に伴う人件費や償却費の増大により、前年比で22.5%伸長したものの、売上高の伸長と原価率の低下により、極めて高い営業利益額の伸長となりました。

 

 すかいらーく大きく挽回しました。

2020決算期に営業欠損となりましたが、これは売上高の急減が主因です。

2021決算期も売上高が低下し、4期間で最低になったものの、損益分岐点の引き下げが奏功したため、営業利益が挽回できたとのことです。

販管費における具体的な低減に向けた取り組みは、深夜営業廃止による固定人件費や水道光熱費の削減、DX推進による店舗生産性向上、本部経費削減、賃貸物件の契約条件の変更などとのことです。

 

 ゼンショー前年比で4割以上下げてしまいました

前年比で、原価と販管費をそれぞれ45%低減しましたが、売上高の低下をカバーすることができなかった格好です。

セグメントでは、外食事業と小売事業の二つに分けていますが、売上高の85%程度を占める主力の外食事業における営業利益が48%の減少となっています。

経営指標(KPI)として、2022決算期の営業利益額目標は225億円とのことです。

 

 

総資産推移

 

 

 最大はすかいらーくです。

特に2019決算期の増加が目立ちますが、これはIFRS第16号「リース」の適用等による有形固定資産の増加が主因であり、実質的にはそれほどの増大ではないようです。

直近2年間に大きな変動はありません。

 

 ゼンショー2019決算期に増加していますが、これはM&Aに伴う有形/無形固定資産の増加、及び長期借入金の増加に伴う現金預金の増加が主因となっています。

当社も、直近の2年間に大きな変動はありません。

 

 F&L CO3期連続の増大です。

2020決算期の増大は、主としてIFRS第16号「リース」の適用等による有形固定資産の増加によるものです。

2021決算期では、京樽の買収新規出店等による有形固定資産や敷金等の増加、また社債と長期借入金の増加による現金預金の増加などによるものです。

 

 マクドナルドには大きな変化は見られず、売上高や営業利益に概ね比例して増加しています。

現預金、売上債権、有形固定資産という成長に伴う資産面の増加、そして資本面では、固定負債を減らしながらの純資産拡大という推移です。

なお当社の場合、全店舗2,942店舗中2,075店舗がフランチャイズである(2021決算期有報)ことから、売上規模に比して資産が少なめに映る傾向にあります。

 

 

従業員数推移

 

 

 ゼンショーが圧倒的に多く、2番目にすかいらーくです。

 

 続いてF&L COですが、京樽の買収や新規出店による影響で2021決算期に急増しています。

 

 マクドナルドは、フランチャイズ方式が中心であることから、この4期間2千人強で横ばいです。

 

 

今回は以上です。

 

次回は、収益性の中の「利益創出力」を見ていきましょう。

 

 

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